『 寒いタイル風呂 → ユニットバス 』リフォーム工事過程(シンラ・サザナ)
昔のお風呂によく見られる「 タイル貼りのお風呂 」(在来工法の浴室)は、冬場とても寒いですよね。
また断熱性能が低いため、結露がひどく天井や窓が水滴だらけになることも多いかと思います。
そのような「 タイル貼り 」浴室を、『断熱性能が高く、暖かい「 ユニットバス 」へリフォームしたい!』と思ってはいるけれど 『 工事が大変そう、お風呂に入れない期間が長そう、工事の流れが分からない 』などの不安を感じている方に、本コラムでは、
●「 ユニットバス・在来工法の浴室 」のそれぞれの構造や特徴・メリット・デメリットについて
● 2つの実例 ビフォーアフター
● 4つの実例 工事過程
● 当社で浴室リフォームを行った際の価格帯
をご紹介させていただきます。
ユニットバスとは、防水性の高い素材で「 壁・床・天井・浴槽 」などを一体化して、工場で生産した浴室のことです。現場にユニットごと搬入して「 設置・組立・接続 」しスピーディーに完成させる工法で、最近では「 システムバス 」とも呼ばれています。
ユニットバスのメリットは、全体を見ても隙間が少なく、断熱性能を向上しやすいので、在来工法の浴室と比べると比較的暖かいことです。また、組立てに職人の技術力の差が比較的少なく、品質や仕上がりなどへの影響も少ないという点もメリットの一つです。
タイル貼りのお風呂は、在来工法の浴室と呼ばれ、木造戸建ての工法で、鉄筋コンクリートの基礎の上に土台・柱・梁・筋交いで他の部屋と同じように浴室スペースを作り、周囲に防水加工を施した浴室のことです。
在来工法のメリットは、ユニットバスと違い、空間や形状に捉われず、様々な大きさやデザインに仕上げることができることです。浴槽はもちろん、壁・床・天井を好みの素材で仕上げることができ、ヒノキ風呂や大理石やタイルで仕上げた風呂も在来工法の浴室となります。
デメリットは、工期と費用がユニットバスより長くなることです。施工にさまざまな業種の職人が必要になることが多く、材料費もかさむのでコスト面でも高くなる傾向があります。また、掃除に手間がかかります。
実例 ビフォーアフター
【 実例Ⅰ リフォーム前 】
【 実例Ⅰ リフォーム 実施後 】
【 実例Ⅱ リフォーム前 】
【 実例Ⅱ リフォーム 実施後 】
工事過程 実例①
在来浴室からユニットバスへの工事は、大変といったイメージがありますが、1週間程度でご入浴は可能となります!
リフォーム前の様子です。
まず解体です。タイル張りのお風呂を壊していくと、下地が出てきます。
解体後の様子です。
このように木造住宅ですと、漏水や雨漏りでシロアリの被害にあわれている住宅もあります。
そういった腐食を発見した場合、お客さまとご相談のうえ補修工事(追加工事)を行っていきます。
次は、床が平ではないので、土間打ちを行っていきます。
乾燥までに1日はかかりますので、少し乾燥期間を設けさせていただきます。
いよいよユニットバスの組立です。
ユニットバスは1日でほとんど組み上がります。(仕様やお風呂の大きさによっては2日かかります。)
洗面脱衣室~浴室に入る際の段差がなくなり、出入りもしやすくなります。
洗面室(脱衣室)と浴室の間仕切り壁の補修をし、内装を張り替えたら工事は完了です!
多くの場合、洗面室(脱衣室)の内装を張り替える形となりますので、同時にリフォームにされる方が多いです!
単体工事で行うよりも少しお得に工事が出来ます♪
工事過程 実例②
浴槽の底に穴が空いてしまったため、タイル貼り(在来工法)の浴室からユニットバスにリフォームすることになりました。
元のお風呂は、断熱性が悪く冬場は非常に寒いとのことでした。
まず、天井・壁・床を解体します。
床解体後にユニットバスの土台となるコンクリートを土間打ちします。
在来工法の浴室は、目地のひび割れなどから水が浸透しやすく、今回の現場も窓下が長年の湿気で腐食していました。
窓下の腐食を新しい木下地に取り替えます。
出入口の木下地も同様に腐食していました。
床鳴りの原因にもなるので、補強のために新しい木下地に取替しました。
その後、ユニットバスを組み上げます。
今回設置した『シンラ』は、床・壁・天井・浴槽も断熱材に包まれているので、冬場でも寒くありません。
また、『肩楽湯』『腰楽湯』で体が温まり、とてもリラックスできると非常に好評でした。
工事過程 実例③
こだわった木目の素敵なお風呂なのですが、在来浴室はやはり寒さとお手入れの大変さが気になられるようです。
今回のリフォームの目的は、暖かい浴室にすること、掃除しやすい浴室にすること、そして入り口の段差解消をすることになりました。
リフォーム前のお風呂は、窓が浴槽に入って中庭が見えるように低い位置についていました。
ユニットバスにすると、床が今より高くなるので浴槽の縁も現在より高くなり、窓と重なってしまいます。
そのため今回、外装の計画もあったことから、窓を付け替えることにしました。
窓まわりの下地を替え、断熱材も入っていなかったので、外部に面しているところは断熱材を入れました。
組み上がったユニットバスがこちらです。
カウンターに洗面器を置けるタイプで、椅子を利用することで立ち上がりも楽になります。
元の木の雰囲気を残すため、入口枠は本物の木にしました。
よく使われるのは樹脂ですが、今回は洗面所の木に合わせました。(写真では色が違うように見えますが、もうちょっと合っています(^^;))
床も和風の「籐」模様にしました。これはフロアタイルといって、塩ビのタイル材です。
籐に見せているので溝はありますが、ごしごし拭いても大丈夫で、腐ったりせず、変色もしにくい素材です。
工事過程 実例④
お客さまから「冬場、お風呂がとても寒いのでリフォームを考えている」と連絡を頂きました。
昔ながらのタイル仕上げの在来浴室ですが、修繕しながらご使用だったため特に傷みはありませんでした。
浴室の寒さ対策に重要なのは特に「窓」で、こちらのお風呂も壁いっぱいの幅でとても大きいアルミサッシの窓でしたので、冬場はたくさんの面積で暖かい空気が逃げ、冷気が入ってくる状態でした。
戸建て住宅は、床・壁・天井・窓に囲まれていますが、冬の暖房時に外に逃げる熱のおよそ50%が窓からです。
画像引用:YKK AP株式会社 ホームページ
今回のリフォームでは、ユニットバスへのリフォームと一緒に、「アルミサッシ」から「アルミ樹脂複合サッシ」への交換および、窓のサイズダウンを提案しました。洗面室(脱衣室)の窓も一緒に交換しました。
天井にも断熱材を入れ、寒さ対策をほどこします。
解体後の床下は、土間コンクリートを打ちます。
配管後、ユニットバスを組み上げます。
洗面室(脱衣室)の内装工事後、洗面化粧台や洗濯機を接続して工事完了です。
今回設置したTOTOのユニットバス サザナは、魔法びん浴槽・ほっカラリ床・断熱パックに加えて天井には暖房換気扇がついており、寒さ対策はバッチリです!
後日お客さまから、追い焚きをしなくてもお湯が冷めずにずっと暖かいのでありがたいわ!とのご感想をいただきました。
浴室 リフォーム価格帯
当社に浴室のリフォームを依頼すると実際にどれくらいの費用がかかるのか、費用感を「 東京エリア(緑)」と「 北九州・滋賀エリア(青)」に分けてグラフにまとめました。
《 横軸 》リフォーム費用(万円) ・ 《 縦軸 》件数割合(%)
※集計期間: 2022年1月~2023年9月
※お客様のご自宅の条件、お選びになる仕様、製品によって費用は異なります。
< 参考情報 >
2023年12月現在において
サザナ スタンダード(S)タイプの商品代: 希望小売価格 約118万円(税込)~
サザナ ハイグレード(P)タイプの商品代: 希望小売価格 約144万円(税込)~
戸建て用 シンラ デラックス(D)タイプの商品代: 希望小売価格 約177万円(税込)~
戸建て用 シンラ リラックス機能満載(R)タイプの商品代: 希望小売価格 約231万円(税込)~
マンション用 シンラ デラックス(D)タイプの商品代: 希望小売価格 約196万円(税込)~
マンション用 シンラ リラックス機能満載(R)タイプの商品代: 希望小売価格 約243万円(税込)~
サザナを採用の場合、工事費を含め100~150万円が多く、シンラを採用の場合、150~250万円が多い価格帯となりました。また、タイル貼りの浴室からのリフォームの場合、解体や基礎工事の費用が多くかかります。
文: ①鈴木ナオミ・②鹿毛・③木村・④岡山