「 在来工法の浴室 」とは(住宅建築 用語解説)
在来工法の浴室とは、木造戸建ての工法で、鉄筋コンクリートの基礎の上に土台・柱・梁・筋交いで他の部屋と同じように浴室スペースを作り、周囲に防水加工を施した浴室のことです。
以前の在来工法の浴室
近年の在来工法の浴室
給水・給湯・排水の配管を行い、下地材で防水処理を施し、浴槽を設置します。洗い場の床はコンクリートで造り、床や壁にはタイルや石材などを貼り仕上げていきます。窓の下までコンクリートブロック等で壁を作る場合もあります。
在来工法の浴室工事中
在来工法のメリット・デメリット
在来工法のメリットはユニットバスと違い、空間や形状に捉われず、様々な大きさやデザインに仕上げることができることです。
浴槽はもちろん、壁・床・天井を好みの素材で仕上げることができ、ヒノキ風呂や大理石やタイルで仕上げた風呂も在来工法の浴室となります。
デメリットは、工期と費用がユニットバスより長くなることです。施工にさまざまな業種の職人が必要になることが多く、材料費もかさむのでコスト面でも高くなる傾向があります。
また、ユニットバスと比べると防水機能が劣りますので、定期的なメンテナンスを行わないと水漏れで下地や躯体の腐食の心配もあります。
そして、ユニットバスよりも掃除に手がかかります。
他に心配されることとして、冬場の寒さの影響を受けやすく、ヒートショックなどの事故もユニットバスより在来工法の浴室のほうが多く発生する可能性があります。
これから在来浴室にリフォームする場合には、機能性タイルや暖房機能付きの浴室換気扇の導入、断熱性能の高い窓(サッシ)に交換するなどして、断熱性を高めることで快適性を上げていくと良いでしょう。
お風呂にこだわりたい場合や、スペースを広く取りたい場合など、あえて在来工法を選ぶ人もいますが、最近ではユニットバスが主流となっており、在来工法の浴室は減少傾向です。
メーカーやオプションによって、さまざまなニーズに応えることができるユニットバスが増えたことも、在来工法が減少している理由の一つかもしれません。