【 アスベスト除去 】含むユニットバス解体 リフォーム費用

更新日 :

TOTOリモデルサービス アスベスト対策チームです。

今回は、どのようなリフォームの時にアスベスト(石綿)が発生し、どのような対策を行っているのか、どのくらいの費用が発生するのかについてご説明します。

 

また、アスベスト(石綿)の特徴・危険性・健康被害についても分かりやすくご説明します。

 

 

アスベストとは?

アスベストは、天然の鉱石で、繊維状鉱物のため、加工して混和したり織り込んだりすることができ、次のようなメリットがあります。

 

・引っ張り強度がきわめて大きい  
・燃えないで高温に耐える  
・酸やアルカリ等の薬品に侵されにくい  
・腐らないで変化しにくい  
・熱や電気を通しにくい  
・表面積が大きいため、他の物質との密着性に優れている  
・価格が安い

 

等の多くのすぐれた性質があることから「奇跡の鉱物」と呼ばれ、様々な建材の原料とされてきました。

 

ところが1970年代になって、空中に飛散した石綿繊維を長期間大量に吸入した場合、肺癌や中皮腫を引き起こすことが指摘されはじめると、アスベストは「静かな時限爆弾」と呼ばれるようになりました。


アスベストの製造と使用については、年々規制が強化され、2012年9月以降の着工の建築物には 0.1%以上のアスベストが含まれている建材は使用不可となっています。

 

 

 

アスベストの健康被害

飛散したアスベストの繊維は、髪の毛の約100~5000分の1(直径0.02-0.35 μm)と非常に細く、吸入すると肺胞に沈着しやすい特徴があります。  
また、アスベストは丈夫で変化しにくい性質のため、肺組織内に長く滞留します。

そして最悪のケースでは『 石綿肺(肺の線維化)・肺がん・悪性中皮腫 』等の病気を引き起こすことがあるのです。  
※発がん性は、直径だけでなく、種類(性質)によって異なるそうです。

 

なお、どの病気もアスベストを吸い込んですぐに発症するのではなく、10~50年もの潜伏期間があると言われています。(中皮腫は平均35年前後)  
このような被害から身を守るために、空気中にアスベストを飛散させない対策と、飛散したアスベストを吸入しない対策が必要となってきます。

 

特にリフォームの現場においては、ユニットバスの壁がタイルで仕上げてある「裏の下地板」にアスベストが含まれていることが多く、解体時に飛散のリスクを伴います。


発生する浴室の築年数は、2012年のアスベスト全面使用禁止 以前になり、これ以降に建設された建物には使用されておりません。

 

2012年以前の建築物においてアスベストが含まれているかどうかについては、ユニットバスの製造メーカーや品番・製造年月が判明すれば、各メーカーが発表している資料と照合してアスベストの含有を確認できる場合があります。

 

 


下の絵は、アスベストを含む建材が家のどの辺りに使われているのかを表したものです。  
 

アスベスト含有建材の使用部位例

出典: 目で見るアスベスト建材 第2版(国土交通省発行)P11

 


この絵を見てみると、屋根や外壁、室内の壁・天井に至るまで広く使用されていることが分かります。

リフォームする場合、工事する箇所すべてに「 アスベスト無し 」と言い切れなければ、アスベストを含んでいる前提で工事の計画を立てます。

 

計画には、お客さまや作業員の健康を守るための対策も含まれます。そのため見積りには、数年前までは発生しなかったアスベスト処理費用が追加されるようになりました。

 

 

 

対策方法

アスベストの飛散抑制のために「湿潤化(解体前に解体箇所を湿らせる)」を行う、作業員はアスベストを吸い込まないように防塵マスクを着用し、作業エリアを独立させて関係者以外立ち入り禁止とするなど、アスベストを空気中に飛散させない対策を施した上で、解体を計画・実行します。

 

防塵マスク着用 現場掲示 アスベスト対策工事

 

隔離養生 アスベストマーク アスベスト対策工事

 

 

現場で解体した廃材に関しては、他の廃材とは別に梱包し保管するなどして、産業廃棄物収集運搬業者に引き渡します。

 

ボードの梱包 アスベスト対策工事

 

 

住宅の中には、まだまだアスベストを含んだ建材が数多く存在しています。  
その存在をきちんと調査して適正に「 撤去 ~ 処分 」をしていくことが、我々リフォーム業者に課せられた役割でもあります。

 

2020年6月5日に、建築物等の解体等工事における石綿(アスベスト)の排出等の抑制を図るため、「大気汚染防止法の一部を改正する法律」(2020年法律第39号)が公布され、改正法は、2021年4月1日から順次施行されています。  
さらに2022年4月1日~から施行される法律では

「 建築物の解体: 対象の床面積の合計が80㎡以上 」  
「 建築物の改造・補修: 請負金額の合計が100万円(税込)以上 」※調査費は含まず

のリフォーム場合、石綿の仕様の有無に関わらず、事前調査結果を元請業者等が都道府県等に報告し、その写しを解体等工事の現場に備え置く必要があります。(該当記録は、解体等工事終了後3年間保存)

 

当社では日々情報収集を心掛け、社員のアスベスト関連資格や石綿含有建材の調査資格などを積極的に取得して、お客さまに安心・安全なリフォームを提供できるよう努めてまいります。

 

 

 

アスベスト含有建材の具体例

冒頭に挙げましたように「 燃えない建材 」として使われるケースが多いため、室内においては、火を使うコンロまわりによく見られます。

 

 

< キッチン撤去後 >

 

キッチン解体 アスベスト

 


屋外においては、近隣で火事が起こった際に類焼(もらい火)を防ぐため、屋根材コロニアル(右下図)として使用されていました。

左下図の倉庫では、屋根材にアスベストが使用されています。(壁はトタン、扉は木製)

 


 

< 屋根材 >

 

倉庫屋根 コロニアル アスベスト対策工事

 

 

 

アスベスト解体・除去費用

アスベストの解体・除去費用は、

現場状況(部屋の形状・天井高さ・固定機器の有無・アスベストの種類・施工条件)により大きな違いがあります。


したがって、解体を行ってみないと分からない部分もあり、最終的な費用は解体後に算出されるケースもあります。  
当社では、現地調査・見積時に現段階でかかる費用をご提示させていただき、予期せぬ現場状況等により追加費用が必要になった際は、しっかりとご説明させていただきます。

 

お客さまには、これらを事前にご理解いただいた上で作業を進めてまいります。


また一般住宅のリフォーム場合は、「アスベストレベル3」の解体工事(例外あり)となり、解体・除去費用の全国的な平均費用は、アスベスト無しの通常 解体工事の費用に加え、表面積で 3,300円/㎡(アスベスト処分費込・税込み)となります。

※廃棄物処分場での受入れは主に重量や容積ですが、一般の方に分かりやすいよう表面積に換算してあります。

 

ただし上記の費用に、次項を考慮し加算する必要があります。  
 

● 隔離養生等(密閉措置)費用

● 運搬費用(処分場が遠方の場合、運搬費が加算)

● アスベストの種類・建材の形状によって、上記単価は前後

● 業者・地域による費用差

 

 

 

■ 処理 容積(㎥・立法メートル)での考え方

首都圏のある産業廃棄物業者では、アスベストを入れる1㎥(縦100cm × 横100cm × 奥行100cm)の容器を何個使用するかによって料金が異なってきます。

 

また、首都圏にはアスベストを埋め立てできる場所が少ないため遠方(東北方面)への輸送となり、解体・処分費と運送費を合わせると1㎥の容積あたり、約10万円程(税込)の費用が発生します。

こちらの費用は、1㎥ごとに発生しますので、1㎥未満で10万円、1㎥以上~2㎥未満で20万円といった計算になります。

(上記の金額には、運送費として約3万円が含まれます)

 

 

上記の費用には、次を考慮する必要があります。

※隔離養生等(密閉措置)費用は含まれていません。

※アスベストの種類・建材の形状によって、上記単価は前後します。

※業者・地域によって異なります。

 

 

 

 

■ 処理 面積(㎡・平方メートル)での考え方

処理面積は、アスベストを処理する面積であり、延べ床面積ではありません。  
そのため、延べ床面積の2~3倍ほどが平均的なアスベスト処理面積となります。


浴室のリフォームなど、狭い空間の壁にアスベスト入りのパネルがある場合は、壁・天井の面積がどれくらいあるかを考えて算出すると概算がでてきます。

こちらの算出方法は、一般の方が費用感を把握しやすいように面積計算を行った例です。

 

 

< 一般的な1坪サイズの浴室の場合の概算 >

 壁面: 横 1.7m × 高さ 2.5m = 4.25㎡

 天井: 1.7m × 1.7m = 2.89㎡

 処理面積:  4.25㎡ × 3.6面 + 2.89㎡ = 18.19㎡ (0.6の係数はドア部分があるため)

 概算金額: 18.19㎡ × 3,300円 = 60,027円(税込み)

 

< 広い1.5坪の浴室の場合の概算 >

 壁面1: 横 2.4m × 高さ 2.5m = 6㎡

 壁面2: 横 1.6m × 高さ 2.5m = 4㎡

 天井: 2.4m × 1.6m = 3.84㎡

 処理面積: 6㎡ × 2面 + 4㎡ × 1.8面 + 3.84㎡ = 23.04㎡ (0.8の係数はドア部分があるため)

 概算金額: 23.04㎡ × 3,300円 = 76,032円(税込み)

 

ただし上記の費用には、次を考慮する必要があります。  
※隔離養生等(密閉措置)費用は含まれていません。

※運搬費用は、含まれておりません。 処分場が遠方の場合、上記に運搬費が加算されます。

※アスベストの種類・建材の形状によって、上記単価は前後します。

※業者・地域によって異なります。

 

 

 

■ 処理 重量(kg・キログラム)での考え方

重量で費用が算出される場合、アスベストレベル3にあたるアスベスト含有建材が何kgあるかによって決まります。

こちらは、1kg・10kg・100kg・1000kg単位でいくらといった形で処分場によって、1kgごとに細かく対応してくれる場所と、1000kg(1t)ごとまとめて搬入しなければならない場所といった形で、大きく異なってきます。

 

価格は、1000kg 当たり 6~12万円 が相場のようです。

 

ただし上記の費用には、次を考慮する必要があります。  
※隔離養生等(密閉措置)費用は含まれていません。

※運搬費用は、含まれておりません。

※アスベストの種類・建材の形状によって、上記単価は前後します。

 

 

 

 

 

上記は、あくまでも概算です。

詳細な除去費用は、お見積りいただく会社へお問い合わせください。

 

なお、補助金・助成金に関しましては、一般住宅でのリフォームの場合、2022年1月現在では活用できるものはございません。

※地方自治体によっては、活用できるものがある可能性があります。

※吹付アスベストに関しては、条件を満たす工事について補助金が支給されます。

 

 

当社でリフォームを検討されている方以外からの

本記事に関するご質問は、お受けできかねます。

何とぞ、ご了承ください。

 

 

◆◆◆関連コラム◆◆◆

アスベスト(石綿)含有「スレート」の倉庫解体  → こちらをクリック

 

リフォーム業界が抱える問題【アスベスト】  → こちらをクリック

 

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※こちらのページに記載しています処理費用・法規等に関しましては、2022年1月20日現在の情報となります。予告なく変更される場合がございますので、その旨ご了承ください。

 

文: 扇元・西川・有泉

 

 

 

 


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