【縁甲板】の重ね張り(上張り)リフォームの「メリット・デメリット」
こんにちは!
日本家屋の床や壁に使用される縁甲板(えんこういた)の重ね張り(上張り)リフォーム工事を紹介いたします。
お客様から、廊下の床がブカブカしていて抜けそう・・・。
と相談を受けました。
和室の縁側ですが、普段使いの廊下でもあるので、経年劣化による縁甲板の傷みが原因です。
フローリングの交換には「重ね張り(上張り)」と張替えの2パターンの方法があります。
どちらを選択するかによって、費用や工期、仕上がりが違ってきます。
今回お客さまが選択されたのは、重ね張り(上張り)です。
重ね張り(上張り)とは、既存のフローリングや縁甲板の上に、新しいフローリングや縁甲板を重ねて張っていきます。
一方、張替えとは、古いフローリングをめくり、新しいフローリングに張替える工事です。
重ね張りのメリット
既存のフローリングを撤去しないので、産廃(ごみ)が少なく、工期の短くなります。
解体費や処分費が少ない分、費用も安く済みます。
重ね張りのデメリット
それは、張ったフローリング材の厚み分、床の高さが上がることです。
通常は、12ミリ程上がることが多いので、出入口部分やクローゼットの扉には注意が必要です。
古い床を残すので強度が心配と思われる方もおられますが、床がブカブカしている部分は新たな下地材で補強するので問題ありません。
床鳴り防止や補強のため、既存縁甲板の上から下地をめがけて釘を打付けていきます。
5坪ほどの縁側を貼りましたが、3日間で完成しました。仕上がりがとてもきれいでご満足いただけました。
玄関廊下の「 縁甲板 」リフォーム
経年劣化で床板の表面がめくれ、歩くと部分的にふわふわとした感触の状態でした。
お客さまのご要望は縁甲板の貼替でしたが、廊下から各部屋のドア下には約21㎜程度の敷居があり、床の補強と段差解消にもなるカバー工法をご提案しました。
既存床板の悪い部分を補修し、その上に9mm合板と12mmの縁甲板を貼ります。
敷居との間には厚さ3mmの継手材を入れます。
床が21mm上がる事で玄関框も高さが変わるため、カバー工法で新しい框を取付けしました。
※階段も最下段の高さが変わるため、注意が必要です。
床の高さが上がるため、ドアのタイプよっては床に引き摺らないように削るなどの調整をします。
また、縁甲板は木目を揃えて貼っていくため、床の形状が複雑だと端材が多くなり、フローリングと比較すると余分に材料を使用とする場合があるので注意が必要です。
今回は、床形状が複雑だったので工期3日でしたが、通常であれば工期2日程度です。
文: 岡山・鹿毛