「 床束 」とは(住宅建築 用語解説)
床束とは「ゆかづか」と読み、床組み内にある大引とよばれる部材を支える垂直部材を指します。
床組みとは建物の床部分の構造部材を指し、床を支えるための「根太(ねだ)」「大引」「床束」で構成する部材の総称を指し、詳細は下記で解説しています。
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床束の材質
床束は、昔は90mm角程度の木材を使用していましたが、乾燥・収縮による床鳴りやシロアリからの被害を防ぐ為、最近では腐食しにくく高さ調整が簡単にできる鋼製の束や、樹脂製の束が多く使用されています。
最近の住宅の床下はコンクリートでおおわれていますが、昔の住宅の床下は「土のまま」であり、平坦な床下を作ることが難しかったため、「束石」と呼ばれる石を等間隔に設置し、その上に木製の束を乗せその部分を平坦とすることで平坦な床を作ることができていました。
しかし、乾燥・収縮による床鳴りやシロアリからの被害に対するリスクがあります。
鋼製の束は、コンクリートの床下にボンドで固定して使用されます。鋼製であるため木製より強度があり、高さを微調整することが可能です。中央部分を回すことで伸縮し、高さ調整を容易に行なうことができます。
しかし、鋼製であるため海沿い等の住宅で使用するとサビの懸念があります。
プラ束とも呼ばれサビの心配がありません。鋼製の束同様、高さの微調整が容易に行なうことができますが、紫外線の影響を受けるため、紫外線にさらされるような場所での使用はおすすめできません。
床束の形と種類
根太レス工法と呼ばれる「根太を設けず横からの水平力に抵抗させるために、厚みのある合板(厚さ24mm)のみを用いた床組み」で使用されます。
根太レス工法は、大引と土台を格子状に組むため、束を置く部分は必ず十字になるためL型が入らないことから、この束を使用します。また断熱材を大引間に入れる場合も、L型の立ち上がりが干渉し断熱欠損となることがあるため、こちらの形状が使われます。
根太工法と呼ばれる「フローリングの下にある合板(厚み12㎜)を乗せるために、幅45mm・高さ60mmの根太を303mmピッチに設ける床組み」で使用されます。
反転した大引きに対し、L型の受け部分が互い違いになるように施工します。
受け部分に大引きをはめ、大引受側面に釘穴があり、片側2本ずつ釘(またはビス)を打って固定します。そのため大引きをしっかり固定することができます。
天端の台板は、防虫・防蟻処理が施されています。大引受の下から、大引きに向かってビス等で固定し使用します。T型・フラット型同様、受座タイプでは施工できない場所に使用されます。