「 在来工法 」とは(住宅建築 用語解説)
在来工法とは、木造軸組工法とも呼ばれ、日本で最も広く普及している工法の一つです。柱・梁(はり)・桁(けた)・筋交いなどを組み合わせてつくりあげていくことから「軸組み」と呼ばれます。
昔は、釘などを使わずに継手(※1)・仕口(※2)などは、「ほぞ」と「ほぞ穴」を利用した骨組みを組んでいましたが、
昭和時代後期以降から筋交い(すじかい)、各種ボルト・釘やプレートといった補強用の緊結金物などを組み合わせて、耐震性などを高めています。
主に柱や梁といった軸組(線材)で支えるため設計自由度が比較的高めの工法です。
※1 継手:2つの部分を接合する構造の総称
※2 仕口:方向の異なる2つ以上の部材をT字形やある角度で接合したり、交差させること
はりと筋交い(すじかい)が主要な部材で,地震の水平力に筋交い(すじかい)で耐える構造です。木を点で接合していることから、耐震性や耐久性の確保に注意が必要です。
耐震性については、鉄筋コンクリート造などと比較すると劣るように思いますが、軽く柔軟性を持つ木造の特徴を考慮し、柱、梁、筋交いなどがバランスよく配置され緊結金物で適切に補強されていれば一概に劣るとはいえません。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べると耐久性は短く、一般的には30年程で大規模なメンテナンスが必要と言われています。また、湿気に弱いので柱などの構造材の品質管理や防腐・防蟻処理がきちんと施されているかがポイントです。
この工法の長所は、柱の位置や長さを自由に設定できるので、ツーバイフォー工法などと比較すると、デザインや間取りの自由度が高いことです。土地の形状にも合わせやすいので、狭小地や変形地の敷地を有効活用することが可能になります。
筋交い(すじかい)の入った壁以外であれば、窓やドアなどの開口部を自由に設定できます。大きな開口部をとることも可能で、光をより多く取り入れることができ、眺望も良くなります。
多種多様な開口部を多く作ることもできるので、換気や通風性が良くなり、湿気が溜まりにくく、カビの繁殖を抑えるなどのメリットもあります。
また、間取りの自由度が高いので、間取りの変更や増築も比較的しやすい工法です。
工期はツーバイフォー工法やプレハブ工法と比較すると長くなりますが、近年ではプレカット工場で機械による加工が増えた影響で、人件費の削減や工期短縮されてきています。