「 確認申請 」とは(住宅建築 用語解説)
確認申請とは、建築物を建築又は大規模の修繕等を行なう際に、その建築物が建築基準法やその他関係法令に適合しているかを、都道府県または市町村の建築主事や指定確認検査機関に事前に審査してもらうために必要書類を提出する行為です。
これによって、法律に不適合な建築物が建築されることを防ぎ、地震や火災時に人命を守ることを目的とされています。
建築物とは、建築基準法第2条第1号に規定されており、簡単に言うと土地に定着していて、「屋根と柱でできたもの」又は「屋根と壁でできたもの」を指し、住宅やビル等の建物だけでなく、カーポートや屋外倉庫等も建築物に該当します。
建築とは、建築基準法第2条第13号に規定されており、上記の建築物を新築、増築や改築で新しく建物を作る場合や、建物を移転させることを指します。
なお、改築を「リフォームのような修繕行為」と認識されている方も多いようですが、実際は既存建物の一部または全部を除却した後に、用途・規模・構造が大きく異ならない建築物を建築する行為を指します。ですので、従前のものと著しく異なるときは、新築又は増築扱いになります。
また、大規模の修繕等とは「大規模の修繕」と「大規模の模様替」があり、どちらも建築物の主要構造部*¹の1つ以上の過半以上を扱う修繕・模様替えを指し、具体的には屋根や床の下地から取り替えるようなリフォームの場合、確認申請の手続きが必要になる場合があります。
一方、主要構造部ではない間仕切壁等を撤去して間取りを替えるようなリフォームは、一般的には確認申請の手続きは不要ですが、都道府県または市町村の建築主事によっても解釈が異なる場合がありますので、工事内容が決定した際には一度確認されることをおすすめします。
*1 主要構造部とは、建築物の構造上重要な役割をはたしている部材で、建築基準法第2条第5項で定められています。具体的には、壁、柱、床、はり、屋根又は階段を指します。
なお、構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段や屋外階段は除かれます。
確認申請の手続きは、建築物を扱う際に必要となり、「建築物を扱う者」である建築主(施主)が手続きを行なうこととなっていますが、一般的には設計事務所の方が代理で手続きを行うことがほとんどです。
ただし、建築士法第21条及び23条により確認申請の代理者は、設計事務所に所属する建築士又は行政書士のみができることとなっています。
この確認申請の手続きは、昔は建物のある土地の自治体(特定行政庁)のみでしか提出できませんでしたが、平成11年の法改正により、国土交通省が定めた民間の指定確認検査機関が誕生し、全国どこからでも提出が可能となっています。
この確認申請ですが、建築基準法やその他関係法令に適合しているかを「確認するもの」であって、許可や承認されるものではなく、あくまでも「確認する」だけですので、建物を扱う設計者の責任でしっかり法律を遵守する必要があります。
手続きの流れは、下記のとおりで確認申請を提出し、建築基準法やその他関係法令に適合していることが確認されると、確認済証が発行されます。そして、建築物の建築等が終わった後は、確認申請を提出した機関の検査を受けて、検査済証が発行されることとなります。
1.確認申請の提出
2.確認済証の発行
3.工事着手
4.中間検査(検査対象の工程がある場合のみ)
5.中間検査済証(検査対象の工程がある場合のみ)
6.完了検査申請
7.工事完成
8.完了検査
9.完了検査済証の発行
中間検査とは、工事完成後に見えなくなる部分等の施工不良によって、建物が倒壊することを防止する目的として、都道府県または市町村の建築主事が必要と定める工程が終わった段階で検査を実施するもので、地域により検査対象の工程が異なります。
ローンを組む際や建物を売却する際は、この確認済証や検査済証が無いと手続きが進まない場合がありますので、しっかり保管するようにしましょう。
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