屋根の隠れた所からの雨漏り修理(ルーフィング貼替え)
お客さまから「雨漏りがしているため対応して欲しい」とご依頼があり現地調査へお伺いいたしました。
雨漏り箇所としては、1階と2階の東面の窓から雨漏りしているとのことでした。
東面からのみの雨漏りということでしたので、壁面から雨水が侵入していると考え、お客さまの同意を得て、壁面に散水を行い該当箇所の特定を行うこととしました。
30分近く窓まわりや庇まわりなど、壁面全体に散水しましたが屋内への雨漏りはありませんでした。
壁面は問題ないことが分かったので、次は屋根を調査することにしました。
こちらの家は、築40年の物件を10年程前に購入され、増築のリフォームを行われており既存部分は陶器瓦、増築部はコロニアルでふいている屋根です。
屋根の調査は、目視とドローンによる調査を行う事としました。それぞれ調査を行いましたが、瓦の割れなどはなく問題ない状態でした。
【ドローン調査時の撮影写真】
外観からは特段の異常は見受けられなかったので、屋根の下地の状態を調べることにしました。
屋根の下地の調査は直接屋根に登り、瓦を部分的に剥がして下地を調べる必要があったため、改めて専門の業者に依頼し調査を行った結果、ルーフィングが完全に劣化していることがわかりました。
本来ルーフィングはシート状になっており、雨水の下地への染み込みを防ぐ役割があるのですが、今回の調査によると、そのルーフィングがパリパリに乾燥して朽ち果てており、下地の野地板がさらされている状態でした。
【老朽化したルーフィング】
このような状態の場合、通常の雨では大きな雨漏りにはならないのですが、風の強い雨の日やあまあしが強い時などは、雨水が瓦を登っていき、瓦と瓦の隙間から水が侵入し雨漏りにつながってしまいます。
ルーフィングがしっかりとしていれば、このような雨漏りにはならなかったと思われます。
雨漏りの原因が分かったので、続いて改善に向けた工事のご提案を行いました。
今回は、ルーフィングの劣化により野地板が雨水により劣化・腐食していたため、野地板を撤去し、新たに野地板・ルーフィングを貼り直し、瓦をふいていく方法をとることにしました。
瓦は三州平板瓦を採用しました。長い歴史がある有名な産地である三州瓦(愛知県三河)・石州瓦(島根県石見)・淡路瓦(兵庫県淡路)は日本三大瓦と呼ばれています。
平板瓦は一般的な和瓦と違い、平たい板のような形状をしています。今回の工事では、増築部分のコロニアルは手を付けないため、見た目の統一感などを考慮して、三州平板瓦を採用しました。
【野地板貼り】
【ルーフィング貼り】
【瓦葺き①】
【瓦葺き②】
【完成!!】
今回、瓦の外観だけでは判断できないルーフィングの劣化が原因で雨漏りが発生しました。
築20年を過ぎたあたりからルーフィングの劣化現象は見られるようなので、築20年以上経過した瓦は一度、瓦を剥がして下地の調査をすることをお薦めいたします。