屋根と外壁の「 寿命とメンテナンス 」

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建物の一番外側にある部分は、屋根と外壁です。      
外からの雨や風・紫外線・気温差・飛来物など、常に刺激にさらされながら建物と中の人を守り続けてくれる部分です。

 

屋根や外壁の寿命はどのくらいなのでしょうか。また、最大限寿命を引き延ばすためには、どのようなメンテナンスが必要なのでしょうか。本コラムでは、屋根と外壁のメンテナンスのタイミングや方法について紹介します。

 

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■ 屋根

 屋根は家の躯体のうち外部からの刺激を最も多く受けつけ、それを建物内部に伝えないようにしている部分ですが、人の目線よりも高いところにあるため普段はそのありがたみを忘れがちで、異常や劣化があってもなかなか気が付きにくいものです。      
しかし屋根のメンテナンスを怠り劣化を放置すると、雨漏りが始まり、躯体の建材を湿気や濡れなどによる腐食で傷めてしまい、最終的には取り返しのつかないリスクが訪れます。

 


屋根構造とメンテナンスの目的

屋根は内側から外側に向かって、下地木材・ルーフィング(防水シート)・屋根材からなります。      
最も内側にある下地木材の劣化は雨漏りや腐食など屋根の致命傷に直結するため、屋根のメンテナンスにおいては下地木材を守ることが最重要となります。

 

ルーフィングは下地木材に直接貼り付けるもので、下地木材に水を浸透させないための防水シートです。      
外側の屋根材は水分を完全に防げるものではなく、わずかながらルーフィングまで水分がやってくることがあります。そのためルーフィングは屋根の最終防衛ラインといえます。  


ルーフィングを交換する場合には「葺き替え工事」という外側の屋根材を撤去する大掛かりな工事になるため、屋根材よりも交換頻度が少なく寿命の長い素材を選ぶべきです。  ルーフィングも素材によって耐用年数に違いがありますが、短いもので10年ほど、長いもので30年ほどといわれています。      
屋根工事の見積もりで安い金額を提示された場合、ルーフィングの素材が安価なものを使われている可能性もあるため、後々のコストを考えるとその点には注意が必要です。

 

 

屋根材は最も風雨にさらされ最も劣化しやすい部分である一方、最もメンテナンスしやすい部分でもあります。      
屋根材の劣化を放置すると水が浸透しルーフィングに負担をかけ続けることになり、ルーフィングの寿命を短くしてしまうことにつながります。      
屋根全体の寿命を延ばすポイントは、いかにルーフィングに負担をかけないか、一番外側の防御力をいかに維持するか、すなわち屋根材のメンテナンスをマメに行う、ということになります。

 

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屋根材の劣化サイン

塗装の色褪せ 


紫外線や風雨によって塗膜に劣化が始まると、塗りたての頃よりもくすんだような色になります。色褪せだけなら直ちに対処しなければならないほどではありませんが、塗膜の劣化が進むと屋根材が水を吸収しやすくなって劣化が加速していきます。

 

コケやカビの発生


塗膜の劣化がより進行すると屋根材の表面が保水するようになり、そこにコケやカビの胞子が付着して増殖していきます。特にスレート屋根や瓦屋根のようなアスファルトやセラミック由来の素材の屋根材はコケやカビが繁殖しやすいので気をつけましょう。      
コケやカビは高圧洗浄機で落としてから塗装の塗り替えをすることで対処可能です。

 

サビの発生


トタンやガルバリウム鋼板でできている金属屋根は、コケやカビのリスクは少ないですが、錆のリスクがあります。こちらも塗膜が無事なうちは錆びることはほとんどありませんが、塗膜が劣化し、発生した錆を放置すると金属が腐食、穴が開いてルーフィングに直接水が流れるようになってしまいます。      
軽度な錆なら錆取りを施して塗り替えで対処できますが、広範囲や重度の錆には重ね葺きや葺き替えなど、屋根材の交換が必要になります。

 

棟板金の異常


振動や風雨などで屋根の頂上を留めている棟板金の劣化が起こります。棟板金の劣化には主に、錆や棟板金を固定する釘の緩みや抜けが見受けられます。放置すると棟板金が外れやすくなり、突風で飛んでしまって周囲に損害を出したり、棟板金の外れたところに雨が入ったりするとルーフィングを傷めます。

 

割れや欠け、反りがある


塗膜が劣化し水分を保持しやすくなると、保水と乾燥を繰り返すようになり、スレート屋根や瓦屋根は膨張と収縮により欠けたり割れたり、変形することがあります。    
また、紫外線や風雨による経年劣化だけでなく、飛来物が当たるなど屋根は直接的な打撃を受けることもあります。

 

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メンテナンス サイクル

■ 7~10年程度に一度、定期的な塗装と業者によるチェック    
塗料の種類によって差がありますが、主に7~10年に一度、定期的に塗装をする計画を立てましょう。その際に業者に屋根の状態をチェックしてもらい、必要な処置を施す、というのが基本的な屋根のメンテナンスのサイクルとなります。      
また、期間にとらわれず台風の後や大雪が積もった後など、気になった時に見てもらうことも必要です。      
状態確認をする際は、自分で屋根に上るのはとても危険なので、必ず専門知識のある業者に依頼しましょう。


■ 劣化が激しい場合には重ね葺きや葺き替えで対処    
屋根材の劣化が激しい場合には、塗装で対処できないことがあります。その場合には屋根材の交換をすることになりますが、既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せる「重ね葺き」や、既存の屋根材やルーフィングを撤去してから新しいものを設置する「葺き替え」という方法があります。

 

■ ルーフィングの寿命を迎えるタイミングで葺き替え    
ルーフィングの寿命がくると、「葺き替え」という方法になります。これは屋根材の撤去も伴うため廃材が出てその処理費用もかかってくるため、大掛かりでコストのかかる工事となります。      
なるべく葺き替えをせずに済むように、こまめなメンテナンスが必要となってきます。

 

 

 

■ 外壁

外壁も屋根ほどではありませんが外からの刺激を直接受ける部分であり、劣化のしやすいところですので外壁のメンテナンスもおろそかにすることはできません。

 

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外壁の構造とメンテナンス

 

外壁は下地材・ルーフィング・外壁材でできています。屋根と同様にメンテナンスを怠ると致命傷になりかねません。  

外壁材は現在主流であるサイディング、もしくはモルタルを使用していることが多く、しっかりメンテナンスをしたうえでの耐用年数は20~40年といわれています。 
外壁材のメンテナンスはズバリ表面の塗装のことをいいます。塗料により違いはあるため耐用年数に幅がありますが、外壁塗装の耐用年数は8~20年とされています。

 


外壁塗装の劣化サイン

チョーキング


外壁塗装の塗膜が劣化し、表面に粉を吹いたようになることをいいます。表面を手でなでると塗料の粉が手につくようになります。直ちに対処しなくてはならないというほどではありませんが、屋根同様劣化のサインですので、放置すると劣化が加速していきます。

 

塗膜の剥がれ


塗膜が剥がれてポロポロと落ちてくるようになります。そうなると外壁材の下地がむき出しになり、より劣化が進んでいきます。外壁材の交換は塗装よりもコストが掛かるため、早々に塗り替えをする必要があります。

 

ひび割れ


塗装や外壁材そのものにひびが入る現象です。浅いひびはチェッキング、深いひびはクラッキングと呼ばれ、ひびを放置すると外壁材に水が浸透し下地材の劣化を進めてしまいますので、ひび割れ補修をした上から塗装、もしくは重ね張りなどを行うようにしましょう。

 

 

外壁のメンテナンス サイクル

塗装の劣化が始まるタイミングでチョーキングの有無などを確認し、劣化が深刻化する前に塗り替えを行います。      
塗料によって耐用年数が8~20年と大きく異なるので、以前にどの塗料を使ったのか、その耐用年数がどのくらいなのかを記録しておくのがよいでしょう。

 

重ね張りや張り替えを検討

 

塗装の劣化が激しいようであれば重ね張りや張り替えを検討する      
重ね張りとは既存の外壁材の上から新しい外壁材を取り付ける方法で、張り替えとは既存の外壁材を撤去したうえで新しい外壁材を設置する方法です。      
重ね張りの方が廃材の少ない分費用は抑えられますが、外壁材の劣化が激しい場合や外壁の重量がありすぎる場合などは張り替えとなることもあります。

 

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屋根と外壁のメンテナンス周期を合わせる

 

新築以降、最初は屋根と外壁でメンテナンスの周期がズレることがあるかもしれませんが、屋根の塗装や外壁の上部の塗装には足場を組むことになるため、屋根と外壁を別々に発注していてはその都度足場を設置しなくてはならず、その分コストが多くかかるようになってしまいます。
費用を抑えるために屋根と外壁の塗装を一度に依頼してもよいでしょう。

 

 

まとめ

屋根・外壁どちらにおいても塗装が最も手軽で重要なメンテナンス方法です。      
それほど頻繁に行えることでもありませんが、時期が来ると必ず行わなければならないことでもあります。      
劣化を放置してより深刻な状態にならないように、あらかじめ計画を立ててメンテナンスをするようにしましょう。      
 

 


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