床下の「 針状結晶 」とは(住宅建築 用語解説)
床下の針状結晶(しんじょうけっしょう)とは、土壌に接している鉄筋コンクリートの基礎に「 針状の硫酸ナトリウムの結晶 」が付着し劣化している状況を指します。
結晶が付着するまでの流れ
① 土壌中に含まれる硫化物が水分と反応して硫酸イオンに変化
② その水分が蒸発する際、硫酸イオンは土壌内のナトリウムイオンやマグネシウムイオンと結合し、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウムという化合物を形成
③ この化合物がコンクリートの表面に存在するカルシウムイオンと反応し、硫酸カルシウムとして結晶化
④ 化学物質によって結晶の状況が異なり、綿のような粉末状や鉱石のような針状のものがあります。なお原因となる硫化物は日本の土壌のどこにでもありますが、地域によって偏りがあります。
【 粉末状 】
【 針状 】
■ 影響
この硫酸ナトリウムの結晶により、ひび割れ、表層の剥離や組織の脆弱化等を引き起こし、コンクリートの耐久性が著しく低下することにより、安全性に深刻な影響を与える可能性があります。
特に土に面している床下の基礎部分で発生しやすいことから、針状結晶が進行すると建物全体の構造に悪影響を及ぼします。
■ 対策
針状結晶による被害を防ぐためには、定期的な点検を行い、早期発見することが大切です。
また、針状結晶による劣化を進行させないようにするには、土とコンクリートを絶縁させることが重要になります。
1.束石の場合
束石の場合は地面と束石の間に防湿シートを敷くことで、絶縁することが可能です。
また、土部分に防湿シートを敷いた上に土間コンクリートを施工し、束石を鋼製束へ変更することで床下全体の湿気対策にもなります。
2.基礎の場合
基礎を取り換えることはできないため、コンクリート表面の結晶を除去し、硫酸イオンが浸透している表層約5mmまでを削り取った後、モルタルで断面補修し、樹脂で表面を被覆する方法が挙げられます。
また、その他には耐熱性・強度・難燃性・耐薬品性に優れているアラミド繊維シートとエポキシ系樹脂を基礎に貼りつけて強度を高める方法があります。
3.新築時の対策
コンクリートの水セメント比を低くすることで、硫酸塩劣化に対する抵抗性を上げる方法があります。
土木学会の「コンクリート標準示方書」では、一般的な水セメント比は55%程度ですが、0.2%以上の硫酸イオンを含む土壌や水に接する場合、最大水セメント比を50%とすることを例示してあります。
他には、硫酸イオンを多く含む土壌の場合は、あらかじめ土壌を入れ替えておくなどの方法も挙げられます。
現状では、新築時においても土壌の化学試験はほとんど行われていないため、設計者と相談の上 土壌を調査することも検討する必要があるかもしれません。







