「 躯体 」とは(住宅建築 用語解説)
躯体(くたい)とは、建物の骨組み部分を指し、一般的に建築基準法上の「構造耐力上主要な部分」と呼ばれる「基礎・基礎ぐい・壁・柱・小屋組・土台・斜材・床版・屋根版又は横架材(梁など)」等の建物の荷重や地震力を受ける部分に使われます。
構造設計を行う場合は、躯体のことを「構造体」と呼ぶ場合もあります。
法的な位置づけ
建築基準法等では「躯体」という言葉はありませんが、国交省の法律解説等では「躯体」という言葉が使用されています。
よって、「躯体」は法律上の定義が無く、上記以外にも幅広く使用される場合があります。
なお、建築基準法施行令では「構造耐力上主要な部分」という言葉があり、「躯体」を表す言葉として一番近いとされています。
ただし、建設関係者的には「躯体」というと「柱・梁・耐力壁・基礎」を指すことがほとんどで、それ以外を指す言葉として認識されていないのが現状です。
建築基準法施行令第1条第1項第3号
構造耐力上主要な部分
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
主な躯体
【 基礎 】
基礎とは建物の下で建物を支えているコンクリート造部分を指します。建物が傾いたり沈んだりしないよう、建物の重さを支える重要な役割を担っています。
基礎工事の手法には大きく「直接基礎」と「杭基礎」があり、さらに細分化していきます。
直接基礎
直接基礎は、地盤に直接コンクリートの基礎を作る工法で、地盤が良好な場合や、建物が比較的低層の場合に用いられる工法です。
●べた基礎
建築物の底面全てにフラットな鉄筋コンクリートの板を構築し、立ち上がっている部分と一体とすることで、「大きな面」で建物の荷重を支える工法です。
●布基礎
布基礎とは、逆T字型のフーチングを建物の外周と内部の必要な部分に連続して設置する基礎のことで、フーチングが帯状につながっていることから、布基礎のことを「連続フーチング基礎」とも呼ばれます。
なお、フーチングとは、基礎の底面が広い部材のことで、フーチングを設置した基礎全般を「フーチング基礎」と呼び、布基礎もフーチング基礎の1つです。
【 壁 】
躯体としての壁は「耐力壁」と言います。なお、デザインや目隠し、防火・防煙のために設置される雑壁や部屋の間仕切り壁は躯体には含まれませんが、見た目では分かりづらく、鉄筋コンクリート造の壁の場合は一般的に壁厚が15~18cm以上が耐力壁とすることが多いです。
木造や鉄骨造における外壁は覆いの役割として設置されているため、地震力を受けないことから躯体には含まれません。
なお、耐力壁ではない壁も躯体と呼ばれる場合もあります。
【 柱 】
柱は地面に対して垂直に立ち、建物の重さを支えています。
また、地震等の水平力を地面へ流す役割も持っています。
【 床 】
躯体としての床には、垂直方向にかかる人や物、建物の重さを支える役割があります。
また、地震や風などの水平力を梁や柱へ伝える役割もあります。
床下の梁と床材の間に設置されている床版(しょうばん)が躯体であり、室内から見えているフローリングのような床材は仕上げ材であり、躯体ではありません。
【 屋根板・小屋組み 】
屋根板(たねいた)とは、屋根材(瓦やスレート等)の下地に用いる板を指し屋根財を支える重要な役割があります。
なお、一般的に木造住宅の場合には、野地板がそれに該当します。
小屋組み(こやぐみ)とは、屋根を構成する骨組みを指し、小屋梁・母屋(もや)・垂木(たるき)・棟木(むなぎ)などから構成され、屋根全体の荷重を支え柱や梁に伝達する役割を持っています。
【 梁(地上) 】
梁(はり)は、地面に対して水平方向に設置される部材で、屋根や床の重さを支える柱へつなぐ役割を持っています。
なお、梁は「大梁(おおばり)」と「小梁(こばり)」が存在し、柱と柱の間にあるものが大梁で水平方向の力を抑える役割を担う働きをし、小梁は大梁と大梁の間にあり鉛直方向の荷重を支える役割を担う働きをします。
基本は天井の中に隠れて見えませんが、マンション等では壁の隅に一部見えることがあります。
また、木造住宅でも梁をあえて見せる天井デザインや、躯体としての役割を持たない「化粧梁(見せ梁)」をあえて設置するデザインもありますが、建物を支える役割を持たない「化粧梁」は躯体には含まれません。
躯体の梁と化粧梁との違いは一見分かりにくいため、見た目だけではわからない場合があります。
■木の柱や梁を見せるインテリア
■コンクリート造の壁や梁を見せるインテリア
【 梁(地下) 】
地中梁(ちちゅうばり)は「基礎梁(きそばり」とも呼ばれ、基礎と基礎をつなぐ梁を指します。
地上の梁はRCだけでなく、鉄骨や木造と種類がありますが、地中の梁は原則基礎同様RCで作られています。
梁(地上)は根や床の重さを支える柱へつなぐ役割を担う働きに対し、地中梁は基礎と基礎を強固に緊結することで柱の回転を抑制し、また、上部からの水平力だけでなく地盤反力や不同沈下等に抵抗する役割を担う働きをします。
【 土台 】
土台(どだい)とは、コンクリート製の基礎と木材の柱とをしっかりと接続するため、基礎の上端に設置される横架材を指し、柱からの荷重を基礎に伝える役目を果たします。
【 斜材(筋かい・ブレースなど)】
斜材とは、柱と柱の間や直角に交わる梁と梁の間に斜めに配置される部材のことを指します。構造の耐震性や耐風性を高め、柱と梁で形作る骨組みの補強をする役割があります。
そのため、柱や梁に十分な太さで強固に結合されている場合や壁全体で建物を支えるツーバイフォー工法などでは使用されません。
また、木造では筋かい(すじかい)、鉄骨造ではブレースと呼ばれます。
■柱と柱の間にある斜材(筋かい)
■梁と梁の間にある斜材(火打ち)







