「 墨出し(墨打ち)」とは(住宅建築 用語解説)
「 墨出し(墨打ち)」とは、建築業界で設計図面の寸法を工事現場に正確に反映させるための重要な工程です。
墨を用いて線や寸法を現場に書き出す作業を指し、簡単に言うと、設計図を実際の現場に下書きする作業です。
墨出しの重要性と用途
墨出しを行う作業は、鉄筋工事・型枠工事・内装工事・建具工事など、さまざまな工事に欠かせない作業です。
壁や柱の位置のみならず、配管が貫通する穴の位置などを正確に示すことで、より精度が上がり効率的に作業することが可能になります。
墨出しの種類
墨出しには様々な種類があり、それぞれ特定の目的で使用されます。
親墨(おやずみ)
基本となる墨で、柱や壁の位置の「芯」を示すのが目的で、施工図に書かれた柱や壁の中心を通る線(通り芯)を親墨とするのが一般的です。
子墨(こずみ)
躯体工事や仕上げ工事で使われる墨です。親墨を基準にし、柱や壁の幅、建具や金物等の位置を示します。
陸墨(ろくずみ)
基準の高さを示す水平な墨で、主に床の高さを示す際に使われる墨で、陸墨から上に記す墨を「上がり墨」、下の墨を「下がり墨」と呼ばれます。
逃げ墨・返り墨
障害物がある場合に使われる墨で、該当の個所から少しずらして使用します。
芯墨・心墨・真墨
構造体等の中心を指す墨で、建物の精度を向上させる目的で使用されます。一般的に下記の距離に墨出しされることが多く、以下のような形で示されます。
・ヨリ1,000(1m)
・500返り(50cm)
複数の名前がありますが、どれも同じ意味です。
墨の種類
古くから、墨出しは墨(墨汁)を使用されていましたが、近年では様々なものが使用されています。
墨出しに使用される道具
墨壺
古くから使用されている木製の墨壺です。向かって左側に墨を入れ、右側の戸車に糸が収納されています。
墨の付いた糸をピンと張った状態で上から指で引っ張り、指を離すと地面に墨が付く方法で墨出しします。
上記は傾けると墨がこぼれるため、近年では下記の密閉タイプが使用されています。基本的な使用方法は上記と同じです。
チョークライン
墨壺は墨なので、消すことはできませんが、このチョークラインはチョークの粉を使用することで、簡単に消すことが出来ます。内装工事等で使用されることが多いです。機器のデザインは近代で使用される墨壺と変わりません。
レーザー墨出し器
直線状のレーザーを出すことで、躯体を汚すことなく墨出しすることが出来ます。主に水平(陸墨)で使用されることが多いようです。
墨出しは、建築現場での制度と効率を確保するために不可欠な作業です。
適切な道具と技術を用いることで、設計図を忠実に再現し、建築の品質を高めることが可能です。







