「 ヌック 」とは(メリデメ・住宅用語解説)
ヌックとは、「こぢんまりとした居心地の良い場所」を意味し、LDKの一角や階段下などに設けるちょっとした書斎のような部屋を指します。
そもそもヌックの由来は、スコットランドのイングル・ヌーク(Ingle neuk)から来ており、中世石造住宅の暖炉の側方に設けた「腰かけ」から来たと言われています。
ヌックの形状や設置場所、サイズに明確なルールはありません。
日本においては、欧米住宅の輸入と共に1914年頃からヌックが取り入れられており、実は100年以上の歴史があります。
【 LDKの一角にある読書コーナー 】
コロナ禍以降、家で過ごす時間の増加やリモートワークの需要が増えたことによりヌックが注目を集め、最近では特に若い方を中心に人気が高まっています。
日本でのヌックは、リビング等の一角や階段下などに設けられることが多く、ドア等で区切らずにゆるやかに空間をつなげるのが特徴で、一般的な広さは1~3帖程度とされています。
隠れ家のようなヌックは、開放的な空間とは対極的ですが、独特の居心地のよさがあります。
【 小さな書斎 】
ヌックの導入事例
日本では、次のような用途でヌックが導入されています。
1.リビングに落ち着くスペースを用意する
最も一般的なヌックです。リビングの片隅にヌックを設けることで、同じ空間にいながら緩やかに家族と距離感を保てます。
現在は広く開放的なリビングを設けることが多いため、自分の時間も大切にできるヌックが重宝します。
使い方として、家事や読書等自分の時間を確保しながらも家族と一緒に過ごすスペースや、ちょっと来客時に客間の代わりとして使用することが出来ます。
2.階段下スペースを有効活用する
一般的に階段下は収納とすることが多いですが、ヌックとすることで隠れ家的な空間となり、読書スペースや子供の遊び場とすることができます。
3.窓際にベンチスペースを設ける
窓際のコーナーにコンパクトなベンチとヌックを設ければ、窓からの景色を楽しめる空間が作れます。
普段はなかなか景色を眺める時間を設けられないという方でも、意識的にリフレッシュの時間が作れるようになるのではないでしょうか。
ヌックのメリット
ヌックのメリットは主に2つあります。
1.メリハリのある空間が作れる
ヌックは、つながりのある空間の中で、別々の用途として使えるスペースを生みだせるため、目的にメリハリを生み出すことができます。天井の高さや壁や床の仕上げを変えたり、部屋の雰囲気を変えてみても違和感が出にくいのが特徴です。
2.狭い場所ならではの居心地のよさ
ヌックには狭い場所ならではの居心地の良さがあります。秘密基地のような「自分だけのお気に入りの居場所」を作ることが出来ます。
ヌックのデメリット
一方、とても素敵なヌックですが、デメリットもあります。
1.面積が必要
ヌックを設ける際には小さなスペースで十分とはいってもそれなりにスペースが必要です。
特に、元々1階は水まわりを設けることが多く、2階より面積が増えやすいため、LDK付近にヌックを設ける場合、うまく設計しないと変に1階だけ飛び出した間取りになることがあります。
2.費用がかかる
面積が増えると建設費も高くなります。特に、上記のように1階の面積が増えるとコンクリートの基礎が増える為、建設費用が大きく増加します。
また、ヌックを設ける際には、照明や造作家具等をこだわるケースも多く、費用がかさむことがあります。その結果、ヌックを設けることを諦め、そのスペースを収納としてしまうことがよく見受けられます。
ヌックは生活の質を向上させる部屋ですが、ヌックを計画する際には、費用や現在と将来の生活スタイルの変化への対応などを十分に考慮して検討することをお勧めします。







