「 数寄屋造り・数寄屋 」とは(住宅建築 用語解説)
数寄屋造り・数寄屋とは「 すきやづくり 」と呼ばれる日本の伝統的な建築様式の一つで、母屋から独立した茶室や茶道具などを収めるための茶室あるいはその部分を指します。
お茶・生け花や和歌等の風流を好む人を「 数寄者(すきしゃ)」と呼び、その者たちの好みに合わせ母屋から離れた所に立てられる茶室を数寄屋と呼ばれました。
また、書斎を中心とした武家住宅の形式である書院造りを基本にしながら、素朴な材料や調和のとれた色使いが用いられ、繊細な装飾や彫刻が施される風流で繊細、質素で控えめなデザインとしたものを「数寄屋造り」と呼ばれます。
現代では、竹・杉皮や土壁など自然素材を取り入れた和風建築のことを数寄屋造り呼ばれる場合が多いようです。
数寄屋造りの特徴
数寄屋造りは、格式張った豪華な意匠を嫌い「自然との調和」とし、素材の持つ自然の風合いを生かした質素かつ洗練された意匠が特徴です。
柱に丸太や面皮・押角が使われ、長押にも半丸太や面皮のものを使用されたり、逆に長押が省略することもあります。
違棚・欄間・釘隠や襖の引手に自由な配置、デザインや技法が用いられます。
床・付書院の配置に定型がありません。
材料としては、檜以外に松・杉・栂・竹等の多種多様な材料が用いられ、化粧となる木部には色付けが施されることがあります。
壁は土壁であることが多いですが、板壁の場合は水墨画が施される場合もあります。