「 雪止め 」とは(住宅建築 用語解説)
雪止めは、屋根に積もった雪が一気に地面に落ちるのを防ぐための重要な設備です。これは、法律(民法218条)によっても規定されており、隣地に雨水や雪を直接流すことは避けなければなりません。
積雪のある地域では、これが原因でさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
雪止めがない場合、落雪によって通行人がケガをする危険性があります。また、雨どいや他の設備が雪の重みで損傷する可能性もあります。さらに、隣家との間でトラブルが生じることも考えられます。雪が隣家の敷地に落ちて損害を与えてしまうと、賠償請求の対象となることがあります。
雪止めはこれらの問題を未然に防ぎ、通行人や隣近所とのトラブルを最小限に抑える役割を果たしています。
メリット
雪止めを設置することで、屋根からの落雪による事故やトラブルを防ぎます。
硬くなった雪が車やカーポートに当たって損傷するリスクや、通行路を塞ぎ他人に迷惑をかける可能性を軽減します。
雪止めの設置により、雨樋や軒先部分に雪が溜まることを防ぎます。
雪が雨樋に溜まると重量によって変形や折れ曲がりが生じ、建物に損害を与える可能性があります。
雪が軒先に溜まると、その影響で軒先が傷む可能性があります。
雪止めの設置により、近隣住民とのトラブルを回避し、良好な関係を維持できます。
自宅からの落雪によって隣家のものを壊したり、人に当たってしまうなどの事故が起きた場合、賠償金の支払いが発生することも考えられます。
雪の多い地域や積雪が予想以上に多い場合には、雪止めの設置を積極的に検討されることをおすすめします。
雪止めの設置にはメリットも多いですが、同時に注意が必要なデメリットもあります。
デメリット(注意点)
アスファルトシングルを使用している屋根では設置できないタイプの雪止めがあります。
また、勾配が緩い陸屋根などは雪止めを設置しなくても落雪の危険性は少なく、仮に設置したとしても効果は期待できません。
雪止め金具は経年劣化やサビの影響を受けやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
屋根全体の点検や、サビの処理、コーキングの補強などを定期的に行うことが重要です。
雪止めの金具取り付けは屋根に穴を開ける作業であり、施工不良があると雨漏りする危険性があります。
優良な業者の選定や、適切な工事を行うことでこのリスクを軽減できます。
雪止めの金具は一つ一つ重さは軽いですが、数が増えると屋根の重量が増加し、耐震性が低下する可能性があります。
特に古い木造建築には影響があるため、耐震性について業者と相談することが大切です。
雪止めを設置しても、雪の完全な落下防止は難しいです。
雪がひとかたまりになって落下することや、隙間から雪が落ちることがあります。
この点を理解しておく必要があります。
豪雪地帯では、雪下ろしの際に雪止めが邪魔になることがあります。
雪止めの設置を検討する際には、地域の降雪状況を考慮して判断することが重要です。
高所作業や適切な設置が必要なため、雪止めのDIYは危険であり、十分な効果が得られないことがあります。
プロの業者に依頼し、安全かつ効果的な設置を心掛けましょう。
雪止めの種類
雪止めには主に3タイプあります。
金具タイプ
瓦タイプ
ネットタイプ