「 高気密・高断熱住宅 」とは(住宅建築 用語解説)

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高気密・高断熱住宅とは、外部と家のすき間を少なくする(高気密)ことで、外気が住宅内に入らないようにし、さらに、外気の熱を断熱材などで遮断する(高断熱)することで、住宅内の温度が外気に左右されない住宅のことをいいます。

 

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暖かい空気と冷たい空気は対流する性質があることから、住宅にすき間があると住宅内の空気が外気と入れ換わってしまい冷暖房の効率が悪くなります。

さらに、その空気が湿気を多く含む外気の場合、結露が発生する場合もあります。

 

住宅のすき間を無くしたとしても、住宅そのものの断熱性が低いと壁や窓から外気温の放射熱が住宅内に入ってくるため、住宅内を快適な温度にするのが難しくなります。 

外気温に影響を受けず、居住者にとって快適な住宅環境を作るには、高気密・高断熱な住宅にすることが大切です。

 

古民家などの古い住宅は基礎がなく、地面からの湿気が家の中に入ってきやすい環境であったため、あえて隙間を作ることで、湿気による腐食などから守る工法が取られていました。

しかし、最近では基礎があることで地面からの湿気が家の中に入りにくい構造となったため、高気密・高断熱住宅の需要が高くなっています。

 

 

高気密・高断熱住宅について 

 

省エネルギーの基準としてよく耳にするものにZEH(ゼッチ)というものがあります。

 

この「ZEH」とは「Net Zero Energy House」の略称で、省エネルギーを実現した上で再生エネルギーなどを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅のことです。

 

具体的には外皮(住宅の外側)の断熱性能の向上やエネルギー効率の高い設備システムの導入により、日々の生活で発生する消費エネルギーを削減します。

さらに太陽光発電などを用いることで自らエネルギーを生み出し、消費するエネルギーを極力まかなうことが目標となっています。

 

2023年に省エネルギー法が改正され、2025年4月以降に着工される建物は、ほぼ全てZEH基準より厳しい「新しい省エネルギー基準」を満たすことが義務付けられました。

この新しい省エネルギー基準を満たすこと「省エネ基準適合義務制度」と呼び、増改築する場合も対象となります。(増改築する部分のみ適合義務あり)

 

新しいエネルギー基準 

 

この新しい省エネルギー基準は、住宅の場合は「外皮性能基準」と「一次エネルギー消費量基準」、非住宅の場合は「一次エネルギー消費量基準」に適合させる必要があります。

 

外皮性能基準

 

住宅における外皮性能とはUA値(外皮平均熱貫流率)とηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)で構成されます。

 

「UA値」とは、外気に触れる壁や屋根から、住宅の室内の熱がどのくらい外へ逃げやすいかを数値化をしたもので、UA値は、数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高い家(高断熱住宅)となります。


地域により基準が異なり九州(6~7地域)では0.87となっています。       
 

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 【断熱材を施した様子】 

 

 

「ηAC値」とは、窓から直接侵入する日射による熱と、窓以外から日射の影響で熱伝導により侵入する熱を評価した、冷房期(夏)の指標です。  


値が小さいほど住宅内に入る日射による熱量が少なく、冷房効果が高くなります。

地域により基準が異なり九州(6~7地域)では2.8~2.7となっています。

 

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【3層ガラス】

 

 

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 【※国土交通省 説明資料より】 

 

 

一次エネルギー消費量基準

 

一次エネルギー消費量基準はBEI値により判定され、1.0以下でなければなりません。

BEI値とは建設予定の建物で使用される「空調・換気・照明・給湯等のエネルギー消費量の合計」を地域や建物用途、室使用条件等によりあらかじめ定められている「基準一次エネルギー消費量」で除した値を指します。

簡単にいうと、空調・換気・照明・給湯等で使用する機器のエネルギー消費量が国で示したエネルギー消費基準を超えないようにする必要があります。       
 

 

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 【※国土交通省 説明資料より】 

 

 

高気密基準

 

過去に省エネルギー基準として採用されていた「高気密の基準」がありました。

高気密の基準に関しては、気密性を表す「C値」というものがあり、家の大きさに対して、どれくらいのすき間があるかを表した数値で、C値が小さいと高気密(気密性能が高い)となり、C値が大きいと低気密(気密性能が低い)となります。

具体的な例としては、延床面積100m²の家全体のスキマ面積が300cm²であれば、C値は3.0cm²/m²となります。       
なお、C値の測定は、24時間換気等を停止し、かつ、換気扇や給気口等をすべて塞いだ状態で測定します。       
 

 

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【気密測定イメージ】

 

 

旧次世代省エネ基準でのC値の基準は地域によって異なり、北海道で2.0から沖縄県で5.0となっていましたが、現在このC値に対する基準はなくなっています。

 

C値の基準が削除された背景は不明ですが、C値の測定には換気口等をふさぐ等の手間がかかる上に、実際C値が小さくても、24時間換気が稼働しており常に住宅内の空気は循環していることが関係するかと思います。

 

ただし、換気扇や吸気口等以外からの外気の侵入は少ない方が住宅内の温度管理がやりやすいため、C値も参考とする方が良いと思います。       
 

 

 

 

※国土交通省 建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料 → こちらをクリック

 

 

 


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