「 基礎・基礎工事・基礎の立ち上がり 」とは(用語解説)
基礎・基礎工事とは、地盤(地面)と建物の間にある鉄筋コンクリート部分のことを指し、建物を支える土台役割を果たします。また、その基礎をつくる工事を基礎工事と呼びます。
基礎の立ち上がりとは、地盤(地面)から飛び出している部分の基礎を指します。
【基礎の写真(住宅用)】
【基礎の断面の図】
元々、木造建物の下部には基礎というものが無く、地面に石束と呼ばれる石を置き、その上に柱を立てる工法が採用されており、現在でも古い木造建物である神社等に見受けられます。
【神社建築物の基礎】
しかし1971年に建築基準法が改正され、木造建物であっても基礎を鉄筋コンクリート造で施工することが義務付けられました。そのため、コンクリート内部には鉄筋が入っています。
【コンクリート打設前の基礎】
基礎の種類には「独立基礎」「布基礎」「ベタ基礎」の大きく3つの種類があります。
独立基礎
「どくりつきそ」と呼び、柱の下に一本ずつ設けられる基礎で、その基礎だけで建物の荷重を支持するため、地盤が強固な場合に用いられる工法です。
傾斜地に建築する場合は住宅等で使用されることも稀にありますが、基本的には鉄筋コンクリート造や鉄骨造等における比較的大きな建物で使用されます。 その他、庭に建てる物置やウッドデッキ等の小規模な場合にも使用されるケースがあります。
布基礎
「ぬのきそ・ぬのぎそ」と呼び、Tの字を逆にした断面形状の鉄筋コンクリートが、建物の壁面に沿って連続して設けられた帯状の基礎で、比較的小規模な建物に採用されます。
「布」とは、建築用語で水平に連続していることを意味します。
底面(土に面する基礎と基礎との間部分)には、地面からの湿気等を防ぐためにコンクリート(通称:土間コン)を施してありますが、構造的には不要なものです。
ベタ基礎
地面から立ち上がった基礎だけの布基礎とは違い、底面と立ち上がり部分の鉄筋コンクリートが一体となっている基礎です。
建物の荷重を底板全体で受け止め、面で支えることから耐震性に優れています。 底面と立ち上がり部分が一体となるよう鉄筋を連結して配置するのが特徴です。
また、底面と立ち上がり部分の鉄筋コンクリートが一体となっており隙間が無いため、地面の湿気が上がりにくく、床下の結露やカビ・ダニを防ぎやすいメリットがあります。
なお、布基礎に比べて、コンクリートと鉄筋量が多くなるので、コストが割高となるデメリットもあります。