「 床柱 」とは(住宅建築 用語解説)
床柱とは「とこばしら」と呼ばれ、床の間と床脇の間にある化粧柱のことを指します。
床柱は、人をもてなすために重要な場所である「床の間」の風格を位置づける柱で、選ぶ丸太の見栄えと、一緒に設置する掛け軸や置物と合わさり和室全体の印象をかえることができる特徴をもっています。
なお、床柱は建物の構造を構成させる柱ではなく、あくまで意匠的な柱であることから、木目や材質が美しい木材が選ばれます。
代表的な床柱には「角柱」と呼ばれる面取りした柱が用いられ、丸太には「絞り丸太」「磨き丸太」「錆丸太」「出節丸太」のような加工が施されたものがあります。
角柱(かくばしら)
天然では、檜や杉で全面が柾目の四角い柱が使用されます。 一方、人工的なものは集成材に天然木の突板(つきいた)を貼ったものや、正面だけに凹凸加工した前彫柱などがあり、色や木目が多彩な柱が多いのが特徴です。
絞り丸太(しぼりまるた)
絞ったように木の表面にシワのような凹凸のある丸太です。 天然絞りと人口絞りがあります。 天然絞りは突然変異によって生まれる天然の丸太で、極まれにしか手に入りませんでした。 近年では安定供給が可能となっているようですが、高級品として珍重されています。 一方、人口絞りは樹皮を剥ぎ人工的に絞り加工をした凹凸のある丸太です。 杉の丸太に割り箸のような細木を針金で固定して育成させ、表面にシワをつけます。
磨き丸太(みがきまるた)
杉や桧といった木の樹皮をはいで磨きをかけて滑らかな表面とした丸太です。 なお、若い木ではなく年数の経ったものが選ばれます。
錆丸太(さびまるた)
黒いカビがマダラ模様となっている丸太です 伐木後、皮をむき地面と出来るだけ接しないように丸太を切り株にのせて浮かせ放置し、自然の力でカビを付着させます。
出節丸太(でふしまるた)
張り出した節を生かした丸太です。 本来、床柱は節や枝を嫌いますが、この柱は逆に出節の変化を楽しむものとなっています。
床柱に使用される樹種には、檜・杉・松・楓・欅(けやき)・黒檀栂(こくたんつが)など多くの種類があり、床の間の様式などに合わせて選定されます。