「 FRP防水 」とは(住宅建築 用語解説)

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FRP防水とは、FRP(Fiber Reinforced Plasticsの略)というガラス繊維強化プラスチックを使った防水工法を指します。

具体的には、液状の樹脂に硬化剤を加えて、さらにガラス繊維等と組み合わせて一体にした工法で、塗膜防水と呼ばれる防水工法の1つです。

 

FRP防水で施工された防水層は継ぎ目がないシームレスな層となり、優れた防水性能を発揮します。
また、塗膜の硬化速度が速いのが特徴で、何層も塗り重ねる場合でも、短期間で施工を完了させることが可能です。

 

FRP防水はプラスチックの中でも耐水性や強度に優れ、衝撃に強いことから主な使用場所は、浴室・ベランダ・プール等があげられます。

 

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主要な材料

 

FRP防水に使用される主な材料としては、主に下記のものになります。

 

防水用ポリエステル樹脂

伸びやすい軟質タイプの樹種で、下地追従性等に優れた性質を持っているのが特徴です。

安全性と利便性を考慮してあらかじめ硬化促進剤が添加されているので、施工現場では硬化剤を添加するだけで硬化します。

また、季節(気温)に応じて粘度や硬化速度が調整された冬用・春秋用・夏用の3タイプがあります。

 

防食用ポリエステル樹脂

防水用ポリエステル樹脂と比較し耐水性・耐食性に優れているのが特徴で、主に水回りである浴室・人工の池・水槽などに使用されます。

 

防食用ビニルエステル樹脂

防食用ポリエステル樹脂に比べ、さらに耐食性に優れており、薬液槽・下水道施設・雑排水槽・温泉施設など耐薬品性・耐熱水性など重防食性が要求される場所に使用されます。

 

防水用ガラスマット

FRP防水層の補強材として使われるガラスマットです。
径が10 μと極細のガラス単繊維を数十 ~ 数百本束ね、それをマット状にしたものです。

 

硬化剤

樹脂を硬化させるための材料で、主に有機過酸化物(通常はメチルエチル  ケトンパーオキサイド)が使用されています。
硬化剤の添加を確認しやすく、また誤飲防止や漏えいを分かりやすくするため、一般的に硬化剤の色は赤色のものが使用されます。  

 

特徴

 

FRP防水の特徴について説明します。

 

軽量

プラスチック素材を使用していることから一般的な仕様で3~5kg/㎡程度と非常に軽量で、建物躯体に大きな負荷をかけることなく防水層を形成することができます。

 

適応性

塗膜防水の一つで膜状に塗布することができるので、狭小部や凹凸等の複雑な形状をした場所でも、シームレスな防水層を形成することが可能です。

 

耐候性・耐久性

プレスチックとガラス繊維が組み合されていることから優れた耐候性・耐久性を持っています。
また、耐根性(植物の根に対する貫通抵抗性)に優れているため、屋上緑化に適しています。

 

耐水性・耐薬品性

耐薬品性に優れており、薬品槽や雑排水槽・下水道施設等の防食分野や厨房床等にも広く使われています。

 

重歩行性

防水層の上を歩行がすることが可能で、また、車両の走行にも耐えることができるため、屋上駐車場の防水として多く使用されています。

 

速硬化性

樹脂の硬化速度が速く、施工後1~2時間程度で塗膜が形成されます。

 

不具合事例

 

一方で、FRP防水の不具合事例も存在します。

 

入隅部・端部の亀裂等

防水層の亀裂は入隅部や伸縮目地等に沿って発生する場合が多く、また剥離は端末部に発生する場合が多く直接漏水につながります。
ただし、防水層の破断によるガラスマットの割れが目視で確認できる場合が多いので発見は容易です。

 

塗り重ね部の割れ・剥離

何層にも重ねて施工する際に降雨等水分との接触で発生します。
また、上塗り層が規定厚さ以上の厚塗りになった場合も発生しやすくなります。

 

水分による膨れ・浮き

防水層の膨れは下地に含有している水分の気化等が原因で発生し、浮きは下地への接着力不足又は低下により発生します。直ちに漏水にはなりませんが、注意が必要です。

 

こういった不具合の発生防止には、適切な下地処理・防水仕様の選択・施工管理が特に重要となります。

また、防水施工時には施工会社としっかりと話し合い、適切な施工管理が実施できているかを委託した施工管理者に確認してもらうことが大切です。 

 


 


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