「 ニッチ 」とは(住宅建築 用語解説)
「ニッチ」というワードは分野ごとにさまざまな意味で使われています。例えば、建築分野では「くぼみ」を表し、壁面の一部をくぼませて作り出したスペースのことを指します。
西洋建築では古くから使われている古典的建築意匠の一種で、壁龕(へきがん)とも呼ばれます。
先に述べた壁面のくぼみ以外に、岩のへこみや隙間などを指すこともあります。
「ニッチ」は狭い場所全般を指すワードであることから、ビジネス用語や生物学用語としても使用されています。
< 壁龕(へきがん) >
ニッチは壁面をくぼませて造るため、壁面に凹凸がなく棚を設置できるので、見た目をスッキリさせながら、インテリアのアクセントとすることもできます。
建物の構造や強度に問題がない壁面に、壁の厚さの範囲内で造ることが多いため、奥行きは100ミリ前後になります。より奥行きのあるニッチを造りたい場合は、壁を厚くするなどの対策が必要です。
< キッチンカウンター下のニッチ >
ニッチを設置する場所として、エントランス部分やキッチン、リビング、トイレ、階段など様々な場所が考えられます。
飾り棚や家具を置くスペースがない場所でも、ニッチがあればスッキリした収納や、お気に入りのコレクションをディスプレイすることが可能になります。
最近では家の中のリモコン類を集約する場所として、リモコンニッチを造る方も増えてきました。
リモコンニッチを設置することでメリットもありますが、お住いの間取りや動線によっては不便になることもあるので、実際に暮らす場面を考えて設置するようにしましょう。
< リモコンニッチ >
ニッチは内側にアクセントクロスやタイルを入れたりすることで、単調になった壁面のアクセントとしても有効ですが、多用し過ぎると落ち着きがなく、まとまりのない空間になってしまいます。
多すぎるニッチは、アクセントとしての効果が薄れてしまいます。インテリアのワンポイントとして取り入れるようにしましょう。