「システムキッチン」とは(住宅建築 用語解説)
システムキッチンとは、調理台(ワークトップ)、シンク(流し台)、コンロ台、レンジ台、収納棚などを必要に応じて組合せ、一枚板のワークトップ(天板)によりすべての設備が一体化したキッチンのことをいいます。
システムキッチンには、食器洗浄機や浄水器などの設備も組み込むことができ、設置する場所や広さによってオーダーメイドで作っていくことができます。
ブロックキッチン(セクショナルキッチン)は、シンクや作業台、コンロなどが分かれて配置されているため、その継ぎ目に埃や汚れが溜まってしまいがちです。そのため、掃除に手間がかかってしまうことも多いです。
それに対しシステムキッチンは継ぎ目がないので、掃除の手間も少なく、簡単に綺麗に行うことができます。システムキッチンと通常のキッチンの最大の違いといえるでしょう。
システムキッチンの型は、主に「I型」「L型」「ペニンシュラ型」「アイランド型」の4種類があります。
「 I型 」
I型イメージ(TOTOザ・クラッソ)
シンク、コンロを一直線に並べたシンプルなレイアウトです。最も基本的なシステムキッチンともいえます。作業動線が横一直線で場所を取りません。キッチンスペースを抑えたい方にはおすすめです。
壁付け、または対面式の両方に対応できるので、設置がしやすいキッチンです。
「 L型 」
L型イメージ゙(TOTOザ・クラッソ)
L型キッチンは、流し台とコンロ台が90度で折り曲がったものが、アルファベットのL字に似ていることから呼ばれています。L型キッチンは、流し台、コンロ台、冷蔵庫の3つの点を結んだワークトライアングル※と呼ばれる三角形を作りやすい型なので、作業動線の距離を短くすることができます。それにより作業効率が高くなるキッチンスタイルです。
L型キッチンを使う上での注意点は、コーナー部分をデッドスペースにせず効率よく使う工夫が必要です。
※ワークトライアングル
「シンクの中心」「加熱調理機器の中心」「冷蔵庫の中心」を頂点とする三角形のことをワークトライアングル(作業の三角形)といいます。各辺の適当な長さは次のように設定すると使いやすいといわれています。
・シンクの中心から加熱調理機器の中心まで 120~180cm
・シンクの中心から冷蔵庫の中心まで 120~210cm
・加熱調理機器の中心から冷蔵庫の中心まで 120~270cm
・三辺の総和は『360cm以上600cm以下』が適当とされています。
「 ペニンシュラ型 」
ペニンシュラ型イメージ(TOTOザ・クラッソ)
キッチンの左右どちらかが壁に接している半島(ペニンシュラ)型のキッチンで、加熱機器側が壁に面しています。ペニンシュラキッチンは、アイランドキッチンよりも比較的少ないスペースで設置できるので、開放感がありつつ、スペースに制限がある間取りにもおすすめです。
オープンキッチンなのでコミュニケーションが取りやすく開放的な空間となり、目が離せないような小さなお子さまがいる家庭では、調理中も様子を見ることができます。
カウンターやパーテーションで部分的に目隠しすることも可能です。
「 アイランド型 」
アイランド型イメージ(TOTOザ・クラッソ)
四方が壁と接していない島(アイランド)型で、調理スペースやシンクなどが島のように独立しているタイプのキッチンです。壁に面していないため、キッチンの周りを回遊することができます。
他のレイアウトのキッチンは、動線が一本しかない場合が多く、数人で作業しようとするとスペースが狭く作業のしにくさを感じることもあります。広いスペースのアイランドキッチンは、動線がカウンターを中心に円形になっているため、数人での作業も窮屈なくスムーズに行えるでしょう。
注意点としては、広いスペースでないと設置できないことや、開放的なため常に整理整頓に気を遣う必要があります。汚れやニオイも広がりやすいので、部屋全体の掃除にも気を付けたいところです。
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