「貼る」と「張る」の漢字の違い(住宅建築 用語解説)
こんにちは! 東京営業所 技術アドバイザーの有泉です。
今回は、家のリフォームやDIYをする際によく出てくる
「貼る」と「張る」の漢字の使いまわしについて説明したいと思います。
「はる」といった言葉が登場する場面は、下記のようにたくさんあります。
① 壁紙をはる
② 襖をはる
③ 障子をはる
④ フローリングをはる
⑤ 網戸をはる
⑥ タイルをはる
⑦ ラスをはる
⑧ ベニヤをはる
⑨ ボードをはる
⑩ シールをはる
⑪ 胸をはる
⑫ 水槽に水をはる
などといったように、「貼る」と「張る」どちらの漢字を使うのが正しいのか迷うことがあります。
私自身これまで100%正しく使い分けてきたかと言われると正直自信はありません。
のりやボンドなどで、べったりとはりつけるもの、へばりつくものは「貼る」を使い。
それ以外の一面におおうもの、広がりのばすもの、いっぱいにするものは「張る」を使います。
そうなると障子を「はる」は、のりをつかうので「貼る」を使うのでしょうが、障子を張ったことのある方ならお分かりだと思いますが、最後の仕上げに霧吹きで障子紙を濡らしてピンと張る状況を思い浮かべて「貼る」は使わずに「張る」を使います。
襖(ふすま)についても同じです。

『 張る 』を使うのは、
② 襖を張る
③ 障子を張る
⑤ 網戸を張る
⑦ ラスを張る
⑧ ベニヤを張る
⑨ ボードを張る
⑪ 胸を張る
⑫ 水槽に水を張る
「 貼る 」は、
① 壁紙を貼る
⑥ タイルを貼る
⑩ シールを貼る
となります。
①と⑥も「張る」と表現しても正しいのですが、クロス貼り、タイル貼りとしています。
実は「貼る」は使い方が限定的なため常用漢字から外されたという背景があり、新聞などの公用な文章では「張る」が使用されるようになっています。
そのため混同がおこっているのです。
< リフォームでクロスを貼っているところ >

またややこしい使い方もあります。
「④フローリングをはる」です。
マンションなどで使用するフローリング材は、接着剤だけで貼るものがあるのです。
さらにリフォーム用のフローリング材は、両面テープで貼り付けるものもあります。
その場合には「貼る」が正しいような気もするのですが、一面におおうものなので「フローリングを張る」になります。
日本語ってホントに難しいですね。