天然素材「 リノリウム 」床のメリット・デメリット

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こんにちは! TOTOリモデルサービスです。

環境や人体に対して影響が少ない天然素材の表面材として、「リノリウム」というものが注目を浴びています。


リノリウムとは一体、どのようなものなのでしょうか?

ここでは、リノリウムを床の素材として使うことのメリット・デメリットを紹介していきます。

 

 

リノリウムは天然素材

リノリウムとは、原料にアマニ油、石灰岩、松やに、木の粉、コルク粉、天然色素のみが使われており、それをジュートという麻布に圧着して長期間乾燥させたものをいい、1863年に英国の発明家のウォールトンFrederick Waltonが発明し特許を取得した材料(石造りのヨーロッパ建築の断熱床材)になります。

日本では、東洋リノリユーム株式会社(現:東リ株式会社)が初めて国産で開発し、特許を得た商品です。 ※1977年に生産停止

 

現在リノリウムの世界的なマーケットリーダーは、フォルボ ホールディングス AGの子会社であり、マーモリウム(marmoleum)の商標名で販売を行っています。
日本においては、田島ルーフィング株式会社が販売店となりマーモリウムの販売を行って行っています。

 

 

< 素材イメージ >

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リノリウムは、表面を触ると滑らかでありつつもマットな質感で、程よく柔らかく自然素材らしい温かみを感じられます。

 

また製造するのに費用や時間がかかることから、近年までビニル系素材に取って代わられ下火になっていましたが、環境保護や健康被害への意識が高まってきたここ数年で再び注目を集めています。

 

 

 

どのような部屋に適しているか

主に利用されている施設は、リノリウムの安全性が評価されて病院や介護施設や学校(特に幼稚園や保育園)、また質感が優れていることからジムやバレエ教室、演劇やパフォーマンスの舞台などにも採用されています。


住宅用としてはキッチン、洗面所、トイレなどの汚れやすい場所、火を扱う場所、水濡れしやすい場所などに使われることが多いです。
また、家具用としてテーブルの天板や椅子の座面に使われることもあります。

 

汚れにくく掃除が簡単で水濡れにも強いことから、子供や高齢者、ペットがいらっしゃる場所にもいいかもしれませんね。

 

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リノリウムのメリット・デメリット

■ メリット

環境・人体どちらにも優しい

 

製造から廃棄までの間に有害物質を出すことがなく、また天然素材を使うぶん、建物全体でアレルゲンの使用を抑えることができるため、環境意識の高いドイツや北欧などで根強い人気を誇る素材でもあります。

 

さらに捨てる時も土に還りますし、燃えにくい素材ですが燃やしても余計な化学物質を出さず、水と二酸化炭素しか排出しません。

 

 

抗菌作用がある

 

主成分のアマニ油に含まれる「オメガ6系リノール酸」には自然の抗菌性があり、アマニ油が酸化する過程でこれらの効果が出ることがわかっています。
食中毒の主な原因となる、黄色ブドウ球菌やO-157を含む大腸菌、ノロウイルスなどを抑える効果が実証されています。
また、空気中のアンモニア臭を数時間で脱臭する効果もあります。

 

データ引用: 田島ルーフィング社製リノリウム「マーモリウム」抗ウイルスカタログ

 

 

滑りにくく弾力、柔軟性がある

 

滑らかな質感でありながら滑りにくく、適度に弾力があります。
フローリングよりも滑りにくく、かといって歩くのに支障が出るほどの引っ掛かりもありません。万が一転んでしまっても弾力があるので、ある程度けがの防止にもなります。


リノリウムは、英国ロイヤル・バレエ団やパリ・オペラ座などでも採用されていますが、高い技術のパフォーマンスを演じるにあたり、滑りすぎず滑らなすぎない素材として重宝されています。

ちなみに、アクロバティックに汗ほとばしるマッスルミュージカルの舞台でもリノリウムの床が採用されていました。

 

 

静電気が発生しにくい

 

帯電性が低く、静電気を発生しにくいため、ホコリを寄せ付けることなくハウスダストが溜まりにくいのも特長です。さっと拭くだけでホコリを除去することができるので、ハウスダストにアレルギーを持つ方にも安心ですね。

 

 

耐久性に優れていて長寿命

 

リノリウムはキズが付きにくく、耐久性に優れた素材でもあります。弾力もあるため家具の重さによるへこみも残りにくいですし、小さなキズなら、アマニ油をなじませてから吹き上げることで次第にキズが目立たなくなります。

デンマークの家具職人によると、リノリウムは「生きている自然素材」とのことです。


また、発火温度が高いため、簡単には燃えません。万が一火事になったとしても、リノリウムの部分が延焼しにくいため結果的に被害を抑えることができるようです。
バレエ教室のように跳んだり跳ねたりするところでも10年以上使用されることが多く、住宅用としては30年~40年の耐久性があるともいわれています。

 

 

お手入れが簡単

 

静電気を発生しにくいためホコリが付きにくいこともそうですが、表面が滑らかで水をよくはじくため、ジュースや調味料などがこぼれても変色せず、乾拭きでサッと拭き取ることができます。


また、よほど古くなって劣化したものでない限りは基本的にワックスがけが不要で、長期間にわたって表面の質感を保つことができます。

 

 

 

■ デメリット

最初は匂いが気になるかも

 

リノリウムを張り付けた直後はアマニ油特有の匂いがあります。

健康に害のあるようなものではありませんし、よく換気された場所なら気にならない程度のものですが、密閉された場所なら気になるかもしれません。
しかしそれは、時間が経つにつれて薄れていきます。

 

 

アルカリ性に弱い

 

木粉やコルクなど、アルカリ性に弱い成分が含まれています。
アルカリを当てることで劣化が進み、傷んだり変色したりするため、洗剤を使って掃除する際には、アルカリ系洗剤を使うことは避け、中性洗剤を使うようにしましょう。
なお、普段のお手入れは乾拭きで大丈夫です。

 

 

紫外線に弱い

 

リノリウムは塗装面も天然素材が使われていますが、日常的に紫外線に当たっていると色褪せや変色が起こります。
リノリウムを設置する場所には日当たりのよい所を避けるか、日当たりのよい場所に活用したい場合にはUVカットの窓を使用するなどして工夫するとよいでしょう。

 

 

ビニル系素材より高コスト

 

似たような見た目や質感をしている素材としてほかにクッションフロアや塩ビタイルがあります。
それらの素材はリノリウムに取って代わって現在主流となっていますが、その主な理由には価格が安く、加工しやすく、デザインのバリエーションがたくさんある点にあります。

 

 

類似品がリノリウム(風)として出回っている

 

デメリットとはちょっと違うかもしれませんが、実際のリノリウムとは異なるものがリノリウム「風」とかリノリウム「調」といった表示で販売されていることがあります。そのようなものは見た目や風合いを似せて作った別物であることがあり、天然素材でない場合もありますので購入の際にはよく確かめる必要があります。

 

 

 

リノリウムを長持ちさせるための注意点

洗剤やワックスは中性のものを

 

日常のお手入れは乾拭きで大丈夫です。洗剤を使うときには劣化の原因となるアルカリ性の洗剤を避け、中性洗剤を使うようにしましょう。
長年使っても表面がすり減ることはあまりありませんが、もしすり減ってきた場合には水を含むようになるので、そのときにはワックスをかけることで水をはじくようになります。

※摩耗するまでワックスは、基本不要

 

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変色予防のために紫外線を避けて

 

紫外線による色褪せや変色を避けるために、UVカットの窓を取り入れる、直射日光の当たりづらい場所を選んで設置するなどするとよいでしょう。

 

また、リビングの一部分だけをリノリウムにして床の風合いのコントラストを楽しむといった方法もあります。
家具にリノリウムを取り入れている業界では、色褪せ自体を「味が出てきた」ととらえる風潮もあります。

 

 

 

ビニル系素材との違い

リノリウムとクッションフロア

 

クッションフロアは、塩化ビニル樹脂で作られたクッション性のある素材です。
塩化ビニル樹脂は、安価でデザイン加工も簡単なことから住宅用以外にも合成皮革や食品用ラップなど、様々な用途に使われています。
またリノリウムの弱点であるアルカリにも強いため、現在は住宅の床素材の主流のひとつとなっています。
しかし、原料は自然素材ではなく、廃棄の際には適切な処分方法が求められます。

 

リノリウムと塩ビタイル


塩ビタイルは、硬質ポリ塩化ビニルをタイル状にしたものです。表面が硬くてキズに強いのが特長です。またプリントすることも出来るので、様々なデザインのものがあります。
タイルを敷き詰めるように設置するのでどうしてもすき間(目地)が生じてしまいます。また硬くてひんやりした質感のため、足腰に負担がかかりやすいといった性質もあります。

 

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プランナー 栗原の「トイレリフォーム例」

世田谷区内の築17年のマンションにお住まいのお客様から、トイレの取替工事と合わせてトイレ内の内装床材の貼替工事をご依頼いただき、こちらのマンションでは、新築時の標準仕様として、リノリウムの床材が貼られていました。

 

その床がなぜ貼替えのご相談に至ったかというと、こちらの写真をご覧ください。

 

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掃除の際にお客様が強アルカリ性の洗剤を使ったところ、時間が経つにつれて便器と接する部分がボロボロに割れてきたそうです。リノリウムは、高いpH値のアルカリ洗剤に反応しやすく、結果として不適切な取扱いをしてしまったものと思われます。

 

工事は傷んだ箇所に仕上材の表層部分のみでしたので、傷んだ部分周辺を切除し、下地を調整した上で新しい床材を重ね貼りしました。

 

< こちら床を剝がしている動画 >

 

 

< 便器を外したところ >

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< リフォーム後 >

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新しい床材は、サンゲツの消臭レストリュームPM-4738を採用しました。

消臭・抗菌、メンテナンス性、耐尿性、耐薬品性、防滑性に優れた機能性フロアです!

 

 

 

まとめ

現在は、住宅用の床や壁の素材にはとても沢山の選択肢があります。
住み心地の良さ、安全性、掃除のしやすさ、次の世代のため、予算など、「どのようなことを大切にするか」によって選ぶものが大きく変わってくることになります。


長く安心して住める良い環境を作るために、リノリウムを選択のひとつに選んでみるのもいいかもしれません。

 

 

田島ルーフィングが取り扱うフォルボ製品の商品カタログ

 

 

 

●おしゃれな『 トイレ 』のリノベーション 実例を紹介したページは → こちらをクリック

 

●気になるトイレの『 交換時期(目安) 』については → こちらをクリック

 

 


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