【 システムキッチン 】リフォームのポイント・失敗例
自分にあったキッチンとは、どのようなもののことを言うのでしょうか。
キッチンは、家の中でも特に使用頻度が高い場所です。食事の準備、片付けをするにあたってやはりその場所も楽しく、使いやすく快適でテンションの上がる場所であるなら、より生活も充実してくると思います。
広さは適しているか、デザインはお気に入りか、居心地の良い場所か、使いやすいか・・・人それぞれ大事なものが違うように、キッチンの選び方も様々あります。
本コラムでは、使いやすくておしゃれなキッチンリフォームを「 成功させるポイント 」と「 失敗例から学び、気をつけたい点 」についてお話したいと思います♪
① キッチンカウンターは、機能優先で選ぶ
画像引用:TOTO株式会社 ホームページ
キッチンのインテリアを見ていると、おしゃれなキッチンカウンターがたくさん紹介されていますね♪
キッチン全体をリフォームするなら、色やデザインを統一して美しくまとめることも大切です。
しかし、何よりも優先すべきは機能面です。毎日何度も使う場所ですから、使いやすさを第一に考えて設備選びから始めましょう。
キッチンリフォームを検討される理由で多いのは、以下のような内容です。
・設備のトラブル
・キッチンカウンターの高さが身長に合ってない、収納が使いづらいなどの不便さ
・経年による劣化や傷、汚れが目立ってきた
特に多いのは故障などのトラブルですが、使いづらさを理由にあげる人も多く、長時間立ったままで作業をするキッチンには、使いやすさが何よりも大切だということがよくわかります。
画像引用:TOTO株式会社 ホームページ
TOTOのキッチンカウンターシリーズには、非接触で水を出せる機能がついたものや水栓器具に触らず足元のペダルで水を出せる機能がついたもの(オプション)なども揃っており、生活に合わせた設備を選ぶことが可能。
傷がつきにくい「クリスタルカウンター」は、特におすすめのシリーズです♪
色の濃いものをこぼしてもシミがつきにくく、すり傷は磨いて落とすことができて、長く美しく使えるカウンターとなっています。
② 世代に合わせてプランを考える
画像引用:TOTO株式会社 ホームページ
キッチンの好みには、それぞれの世代のこだわりやニーズが反映されます。
年齢が高いご家庭だと、これまでのキッチンをベースとしたリフォームプランのご要望が多く、見た目をガラリと変えるような大がかりな内容はそこまで多くありません。
若い世代のニーズは、むしろ設備の入れ替えだけでなく、せっかくだからとキッチン全体をリフォームすることが多いようです。
キッチンとダイニングの間に壁がある場合は、それを取り払って空間を広く使えるようにしたり、家族と会話ができるように配置を工夫したりと、新しいデザインを取り入れたリフォームが人気♪
もしもキッチンを2世代で使うことがあるなら、どちらの世代に合わせてリフォームすると良いのかを考えてみましょう。
将来、お子さまに家をお譲りになられる予定がある場合は、お子さまの意見を参考にしてみるのも良いと思います。
プランの調整は、スタッフがしっかりお手伝いしますので、まずはご希望のイメージをお話いただければ大丈夫です!
③ リフォームに必要な作業スペースを把握する
さあ、リフォームを始めよう!という段階にきたら、リフォーム中に必要なスペースを整える準備を始めましょう。
キッチンは、キッチンカウンターや換気扇など大きな設備が集中する場所です。冷蔵庫や炊飯器などの家電に加えて、食器、食料品といった大量のものが収納されていることもあり、いざリフォームとなると、それらのものを動かし保管するスペースが必要になります。
収納庫の中の食料品や調理器具を入れる箱と、その箱を置くスペースをどこにするのかを決めたり、冷蔵庫を移動して仮置きできる場所はどこかを決めたり。
リフォーム中も冷蔵庫を使い続ける場合は、移動させる場所が必要です。生活の邪魔にならず、リフォームに差し支えないスペースを空けていただかなければなりません。
基本的にはダイニング・リビングに物を移動することになりますので、リフォーム中に家族がどこで過ごすのかも考えておく必要があります。
「 壁付けキッチン 」のメリット・デメリット
画像引用:TOTO株式会社 ホームページ
ここからは、システムキッチンの種類ごとにメリット・デメリットを比較しながら、上手な選び方について説明していきましょう。
壁付けキッチンとは、壁に向かってシステムキッチンが設置されているもの。ごく一般的なスタイルです。
I型キッチンと呼ばれることもあります。
<壁付けキッチンのメリット>
・スペースを圧迫しない
・油汚れや調理の煙、水はねがダイニング側に広がりにくい
・作業に集中できる
<壁付けキッチンのデメリット>
・家族に背を向けるためコミュニケーションが取りづらくなる
・ダイニング側から、作業台の様子が丸見えになりやすい
・収納を近くに置けない間取りが多い
壁付けキッチンの問題を改善するリフォーム案として、壁付けキッチンとダイニングの間に目隠しの腰壁やカウンターを作るという方法もあります。
カウンターに棚をつけておけば、食器や食品の収納庫としても使えて便利。
リフォームの際にオリジナルで作成することも可能です♪
「 対面式キッチン 」のメリット・デメリット
画像引用:TOTO株式会社 ホームページ
対面式のキッチンはオープンキッチンとも呼ばれ、大きく分けて、アイランドキッチンとペニンシュラキッチンの2種類があります。
アイランドキッチンとは、キッチンが独立していて、両側からアプローチできるようになっているもの。海に浮かぶ島をイメージして、アイランドキッチンと呼ばれています。
ペニンシュラキッチンは、作業台の片側が壁についているタイプです。
< 対面式のメリット >
・子どもを見守りながら家事ができるので、子育て世代に人気
・家族とのコミュニケーションが取りやすい
・背面(壁側)に収納を作ることができ、コンパクトな空間で用事を済ませられる
< 対面式のデメリット >
・キッチンスペースがある程度必要になる
・油汚れや調理の煙、水はねが気になる
・家事をする手元が、ダイニング側から丸見えになる
対面式の一番の問題点は大きさです。
回遊できるアイランドタイプは人気ですが、リビングなどに広さがないと窮屈になってしまうかもしれません。
スペースに余裕がない場合は、サイズを調整できるキッチンカウンターがおすすめです♪
① 置けるスペースではなく「通すことができるサイズ」で
何よりも大切なポイントが、ここ。
よくある失敗例で見かけるのは、室内に置けるサイズかどうかだけを確認して購入を決めてしまうことです。
「何がいけないの?」と思うでしょう?
想像してみてください。キッチンカウンターを運び込むとき、どこを通るのか。
そう、玄関です。そして廊下。キッチンに通じるドア。
この全てを通すことができるサイズであることが、何よりも重要になります。
一戸建てなら、リビングの掃き出し窓を外して搬入することができるかもしれません。
では、マンションの高層階だったらどうでしょう?
クレーンで吊るしか方法がなくなります。クレーンを利用すると高額の費用がかかるため、負担が大きくなる点も注意が必要です。
② キッチン位置は変えることができる?
キッチンを「 壁付け式 → 対面式 」に変えたい。
キッチンの大きさやシンクの配置を変えたい。
リノベーション(フルリフォーム)などで、キッチンの位置を大きく変えたい。
このような場合には、排水と換気の位置も変わるため注意が必要です。
また工事の相談をせずに設備だけ購入して、施工しようとした時に位置のずれが発覚し、追加工事が発生することも少なくありません。
そのため、キッチンの位置変更は「 排水と換気の構造 」により可能な場合と、不可能な場合があります。
ちょっと込み入った話になるので、詳細は案件ごととなるのですが、一般的なお話をさせていただきます。
キッチンの移動時、検証するものにまずあげられるのは「 排水 」です。
水やお湯を持ってくるのは、給水給湯管に圧力が加わるので、スペースさえどこかにあれば、別の位置に移動することはおおむね可能です。
しかしながら排水は、重力で流れていくので一定以上の勾配で流れる道を作らなくてはなりません。
勾配が緩いと、詰まりの原因になります。
マンションの場合、共用の縦の排水管がどこかにあり、その取り出し口の位置は変えられません。
これで大分制限がかかってきます。
特にアイランドキッチンになると、床下にスペースがあって、現在の排水からの距離が近くないと難しい場合が多いです。
対面キッチンにする場合で、排水に考慮した商品がこちらのマンションリモデル用の商品です。
画像引用:TOTO株式会社 ホームページ
木造1階の場合は、床下にスペースがあることが多いので、可能なことが多く、戸建ての場合は、外に桝(ます)があってそこに向かって流します。
また木造2階の場合は、リフォームするキッチンだけでなく、1階の他の部屋も工事範囲になってしまう場合があります。
戸建ての鉄筋コンクリートの場合は、マンションに近いですが、下の階の天井を開けることが出来れば、可能になる場合もあります。
次に構造で、木造の場合は、やはり取れない壁(取らない方がいい壁)があり、そこにキッチンを持ってくるとスペースや配管の問題が出る場合があります。(補強などで可能になることもあります)
マンションの鉄筋コンクリートの場合は、壁に穴もあけられないことが多いのが現状です。
③ 掃除の頻度に合わせたワークトップ(天板)を選ぼう!
イメージや見た目で決めて、後から気になるのが汚れです。
清潔感を保ちたいなら、掃除がしやすく傷がつきにくいワークトップ(カウンタートップ)がオススメ。
天板の硬度や耐熱性をチェックしましょう。
新しいタイプのカウンターは、掃除がしやすい素材のものが増えています。
それでも、ダイニング側に汚れが跳ねるのが気になる場合は、壁付け式が安心。
どうしても対面式にしたいときは、ダイニング側に壁や目隠しを造作して、汚れが飛ばないように工夫することもできます。
今回ご紹介したキッチンのデメリットは、アイディアを工夫すれば改善できるものがほとんど。
「好みのキッチンを入れたいけど、気になるところがある」という場合は、お気軽にご相談ください。
経験豊富なスタッフが、暮らしやすさが高まるリフォームプランをご提案します♪
「 ワークトップの高さ 」とは
ワークトップの高さは、「キッチンの床面からカウンターまでの高さ」のことをいいます。ワークトップとはキッチンの天板であり、TOTOのカタログではキッチンカウンターと記載されています。
キッチンは多くの人が毎日のように立ちます。最初にワークトップの高さを慎重に決めることで、住みはじめてからの快適さは大きく左右されます。
ワークトップで行われること
厳密にいえばワークトップは作業台のことなので、まな板を置いて食材のカットをしたり、下ごしらえをしたりする場所ですが、ワークトップはコンロやシンクともつながっているため、加熱調理や洗い物をするときのことまで気に掛ける必要があります。
体に合わない高さのワークトップだと・・・
ワークトップが低すぎると、作業は常に背中を丸めた状態で行うことになります。長時間作業することになると腰や肩、首に大きな負担となり、腰痛や肩こりの原因にもなります。また、シンクは作業台の高さよりも低いため、洗い物の時はより大きな負担になります。
逆に、ワークトップが高すぎると、食材を切る際に力が入りにくくなります。コンロでの加熱調理中に深鍋をのぞき込むのが難しくなり、またのぞき込む姿勢が不安定になって危険性が増す可能性もあります。
ワークトップの高さの選び方
ワークトップの高さは、日本工業規格(JIS規格)によって80cm・85cm・90cm・95cmに定められていて、多くのメーカーがJIS規格にのっとったキッチンを採用しています。TOTOでは80cm・85cm・90cmの高さを提供しています。
多くの人が85cmを選ぶ傾向にありますが、それは日本人の平均的な身長に最も適した高さがそれにあたるからだといえます。多数が85cmを選んでいるからといって自分に合うとは限りませんので、みんなそうしているからという理由で選んではいけません。
キッチンカウンターの高さ
ワークトップの高さは一番使う人の体に合わせて
キッチンは家族みんなが使う場所です。とはいえ、家族みんなに高さを合わせるのは難しいので、キッチンを最もよく使う人の体に合わせた選び方をするのがいいでしょう。
高さを選ぶ目安は2つのアプローチから
最適な高さを求めるために、二通りのアプローチがあります。
ひとつは身長から計算する方法です。
計算式は、【身長÷2+5cm】がよいと一般的に言われています。
身長 | おすすめの高さ |
---|---|
150cm → | 80cm |
160cm → | 85cm |
170cm → | 90cm |
ただ、しっかり直立して測った身長と、キッチンで作業するときの姿勢とで変わる可能性があるので、この数字だけで判断するにはちょっと尚早かもしれません。
もう一つは、肘(ひじ)からの距離を目安にする方法です。
作業する時に力が入りやすい高さは、肘の高さからマイナス10cm ~ マイナス15cmと言われています。肩の位置や腕の長さは人それぞれなので、身長から計算して出した高さと、肘からの距離で出した高さとでバランスを見る必要があります。
またおすすめの高さといっても、やりやすいかどうか、というのは個人的な感覚によるので、計算だけで求められるものではありません。
実際にショールームに行ってみたり、自宅のキッチンでの使用感を参考にしてみたりすることがよりリアルに感覚をつかむ一番の方法といえます。
高さを考慮するうえで、さらに気を付けること
ショールームで実際の高さを感じる際にも気を付けることがあります。
靴で入るところだと身長が2cm ~ 3cmほど高くなってしまうので、現場で靴を脱いでみるとか、家でスリッパを履く予定であるならスリッパを持参して確かめるのがより確実に感覚を掴めますし、キッチンマットを床に敷くのであればその厚さも考慮に入れるのがベストです。
ワークトップの高さとともに、シンクの深さやコンロの高さも一緒に考えることも大切です。
シンクの深さの目安は、直立して手を伸ばした時にシンクの底に指が触れるかどうかで洗い物のときの疲れ方が違ってきますし、コンロに五徳(鍋底に当たる金属の土台)を置く場合には、その高さが追加されるので高くなりすぎないか、あるいはIHにしてフラットにするのがいいかまで考えるとよいでしょう。
「 吊戸棚 」とは
吊戸棚は「ウォールキャビネット」とも呼ばれ、目線かそれより上にある収納部分を指します。
吊戸棚が手の届きやすい場所にあるかどうかで、キッチンの使い勝手や見た目のスッキリ具合が大きく変わりますし、収納される物の種類も異なってきます。
吊戸棚の高さは、目の高さから下に10cm ~ 15cmがおすすめ
頻繁に使うボウルやお皿を探して取り出しやすい場所に置いておくには、吊戸棚の下部が目線の高さの10cm~15cm下の方にあるのがおすすめです。
高すぎる場所にあれば棚の奥の方まで見ることが出来なくなり、調理中なら作業をいったん止めなくてはならなくなります。また使いづらい収納は、次第にあまり使われなくなり、単なる物置になってしまうか、物を置くことすらなくデッドスペースになってしまうことにもなるかもしれません。逆に低すぎれば作業中の視界を遮ることになり邪魔です。
収納の位置は、首の中心から75cm以内にあると使いやすい
手の届く範囲にあるものは調理中にも簡単に取り出すことができるため、よく使うものは腕の長さの範囲内にあるととても便利です。目安としては首の中心から75cm以内にある収納部分が取り回しがよいといえます。
吊戸棚の種類
TOTOのカタログには設置する高さや用途によって様々なタイプの吊戸棚(ウォールキャビネット)の用意があります。
目線の高さにある部分にはアイキャッチウォールやアイレベルラックがあり、見通しがよく視界を遮りにくい構造になっていて、調理器具や食器、グラスやマグカップなどの重くないものを置いておく場所になります。
また、電動や手動での昇降式ウォールもあります。棚そのものが降りてくるので高さをあまり気にする必要がなく、作業中の視界をスッキリさせることができます。
ラック部分が水受けになるタイプのものなら洗った食器をそのまま吊戸棚に置いて乾燥させることもできるので、乾燥場所と保存場所を兼ねることも可能です。
またTOTOリモデルサービスでは、吊戸棚をイチから作る「造作(ぞうさく)」を依頼することもできます。
(大工さんに細かいサイズやデザインを指定して、特注で制作可能)
家の構造が複雑で、既製品がうまくはまらないときや、多少予算をかけてでもお気に入りの、納得のできるものが欲しいときなどに造作依頼をすることになります。
最近は、イチから家具を作ることのできる職人さんが少なくなっているので、特注で作る家具はより希少で、愛着の出るものになるでしょう。
まとめ
住む場所の中でもキッチンは特に重要な場所です。高さひとつとってもたくさんのこだわりポイントがあるので、現在のこと、将来の環境、一緒に住む人のことなど、みんなが快適で、素敵なものを選べるといいですね。
キッチン リフォーム価格帯
当社にキッチン・ダイニング・リビングのリフォームを依頼すると実際にどれくらいの費用がかかるのか、費用感を「 東京エリア(緑)」と「 北九州・滋賀エリア(青)」に分けてグラフにまとめました。
《 横軸 》リフォーム費用(万円) ・ 《 縦軸 》件数割合(%)
※集計期間: 2022年1月~2023年9月
※設備機器のみの交換・取替えリフォームは除きます。(壁紙や床等の貼替えを含むリフォーム費用)
※お客さまのご自宅の条件、お選びになる仕様、製品によって費用は異なります。
< 参考情報 >
2023年12月現在において、I型基本プラン 間口2550mmの場合
ミッテの商品代: 希望小売価格 約83万円(税込)~
ザ・クラッソの商品代: 希望小売価格 約110万円(税込)~
エリア差はないように見えますが、東京営業所ではザ・クラッソの採用率が高く、比較的収納が少ないマンションが多いことから、収納キャビネット・カップボードにこだわったリフォームが多く見られます。
一方、北九州・滋賀営業所では、戸建てのリビング&ダイニングが広い住宅が多いため、ミッテを採用することでキッチン本体の価格は抑えつつ、リビング&ダイニングにも費用をあてるリフォームが多く見られます。
おしゃれで、使いやすい『 キッチン リフォーム 』について紹介したコラムは