「 リフォーム工事の諸経費 」とは(用語解説)
リフォーム工事の諸経費とは、実際に必要な工事費以外の費用で、「現場管理費」や「一般管理費」を指します。
■現場管理費
現場管理費とは、工事現場を管理するためにかかる費用のことで、施工対象に対して間接的にかかる費用を指し、具体的には以下の内容があげられます。
労務管理費・租税公課・保険料・従業員(作業員)給与手当・施工図等の作成費・退職金・法定福利費・福利厚生費・事務用品費・通信交通費・補償費等
■一般管理費
一般管理費とは、会社を経営するために必要な経費のことで、具体的には以下の内容があげられます。
役員報酬・従業員(事務員)給与手当・退職金・法定福利費・維持修繕費・事務用品費・通信交通費・動力用水光熱費・調査研究費・広告宣伝費・交際費・寄付金・地代家賃・減価償却費・試験研究償却費・開発償却費・租税公課・保険料・契約保証費・雑費等
なお、上記はリフォーム工事のための図面(意匠)作成費用の記載がありませんが、諸経費に含んで計上される場合もあります。
諸経費として実際に請求される際には、工事ごとに細かく上記の項目を積算することが困難なため、会社の経験則などによって一定の率計算で求めた数値が諸経費となっている会社が多いです。
現場管理費と一般管理費が一つにまとめられ、利益相当額を含んだトータルの金額として、工事費に対する割合で諸経費を計上されることもあります。
実際のリフォーム工事の諸経費は工事金額の5~25%必要と言われていますが、一般的には5%~15%を採用している会社が多いようです。
さらに、同じ会社でも工事金額の大小によって、諸経費率が変わることがあります。
これは工事金額の大小に関わらず、工事を始める際の手間(工事手配や近隣挨拶など)には大差がなく、書類の作成や、材料を発注する手間等の現場管理に係る経費は必ず発生します。そのため、工事金額の少ない工事は諸経費率が大きくなる傾向にあります。
また、リフォーム工事の諸経費は新築工事の諸経費より割高となることが多いです。
これはリフォーム工事の多くは「住みながらの工事」となるため、家財道具の移動や養生、資材や工具等の毎日の後片付けや清掃等が必要となり、工事に伴う手間が多くなるのが原因です。
さらに、家主が留守の時は工事が行えない等、新築時より時間の制約が多いことも要因にあげられます。
本来、このように諸経費は会社の運営や工事を実施する上で、必ず必要となる費用ですが、実際には極端に低くする、または諸経費が計上されていないことも少なくありません。
これは、工事費に一方的な諸経費率を計上するだけでは、施主の理解が得られにくいとして、工事費用の中に諸経費分を含ませている場合があります。
こういった方法は正当な方法とは言い難いため、諸経費については施工業者と十分協議することをおすすめします。
会社によって諸経費を各工事項目に分配し、見た目上の諸経費を抑える等、見積もりの書き方に違いがあることもあり、「工事金額の○○%だから適切な金額である。」とは、簡単には判断がつかないのが現状です。
また、各会社の企業努力の結果として諸経費が安く抑えられることもあるため、「諸経費が高すぎるor低すぎる=悪徳な業者」とも一概に言えません。
大切なのは、全体のリフォーム費用との釣り合いを比較することです。
よって、リフォーム工事を検討する際は複数の会社で比較検討することが重要です。
先ほど説明したように諸経費というものは、会社の運営や工事を実施する上で、必ず必要となる費用であることを念頭において、リフォーム工事費用について打合せを進めることが大切です。
また、契約する前までにその会社の諸経費率や諸経費に含まれる内容等をしっかり確認することで、双方の信頼感が高まると思います。