おしゃれな「 ウッドデッキ 」リフォームへのポイント
庭の見栄えを良くしたい、手入れをしやすくしたい、リビングの外側のスペースを活用したい、子供の遊び場を作りたい、風を感じながら読書したい、雨が降っても洗濯物を干せる場所が欲しい、そのような要望に、ウッドデッキが活躍します。
ウッドデッキをおしゃれにリフォームすることで様々なことが可能になるかもしれません。
本記事では、ウッドデッキの素材別の特徴や屋根、フェンスなどを、メリット・デメリットを含めて紹介していきます。
ウッドデッキとは
デッキとは、船の甲板や乗り物の昇降台、空港や桟橋に設けられた送迎用の露台などのことを指しますが、共通点としては建物や乗り物の外に露出していること、人が乗って移動することができるようになっていることです。
家のウッドデッキとしての用途も同じです。
地面より高い位置(通常は床と同じ高さ)に設置され、家の外にスペースを確保したもののことを言います。
木製のものをウッドデッキといい、リビングの掃き出し窓から延長する形で設置されることが多いです。縁側をイメージしやすいかと思いますが、通常は縁側よりも広く、縁側によくある渡り廊下としての役割というよりはデッキの上でなにか作業をすることを目的として造られます。
また、他にも似た言葉がいくつかありますが、ウッドデッキは部屋の延長として造られるのに対して、テラスは逆に庭の延長として造られることや、バルコニーやベランダは2階以上の高さに設置されることも想定されるという点に違いがあります。
どのように使う?
物や家具をあまり置かずにあえてスペースを広く残すことで、リラックスできる場所にしたり、子供の遊び場として使用したりする方法です。風通しもよく天気のいい日は洗濯物が良く乾きますし、屋根を設ければ雨の日でも干すことができます。
外に広がったリビングの延長として使用するコンパクトでおしゃれなデッキです。住宅地のように家が密集しているところにおすすめです。居住空間を外に広げることで物理的にも広くなり、またウッドデッキ用の家具や植物などを置いてお気に入りの空間を作ることができます。
庭も確保しつつ、ウッドデッキをリビングと庭の間に設置するタイプのものです。双方の境界をあいまいにすることで開放感が増し、庭での作業もリビングからの行き来がしやすくなることで億劫にならずに楽しむことができるようになります。
素材を選ぶ
ウッドデッキにおける素材選びは重要です。
大きく分けて天然木にするか、人工素材にするか、ですが、最近の主流は人工素材となっています。それぞれにメリット・デメリットがありますので、見ていきましょう。
天然木
木を材料にするウッドデッキで、杉やレッドシダーなどを使用したソフトウッドと、ウリンやヒノキ、ケヤキなどを使用したハードウッドがあります。
天然のものを使用しているため木目の独自性や風合い、温かみを得ることができます。また、吸水性に優れているため雨上がりにも滑りにくいです。熱を吸収しにくいため、日差しの強い時に熱くて裸足で歩けないとか、寒い日に冷たすぎるといったことが少ないです。
加工のしやすさ、建造のしやすさなどから、材料費や設置費用は人工素材のものに比べて抑えられる傾向にあります。
吸水性がよいことが仇となって腐ってしまったり、シロアリの被害に遭ったりすることがあります。劣化はソフトウッドの方が早く、手入れを怠ると1~2年で劣化してしまうことがあります。ハードウッドはきちんと手入れをすれば20年は保つことができると言われています。
また、木材には繊維の方向があるため、ささくれが出来てしまって怪我をすることもあり、比較的細やかにメンテナンスをする必要があります。メンテナンスもヤスリを使って滑らかにする作業を行うと粉じんが出るなど、子供やペットのいるご家庭にはあまり向かないかもしれません。
人工素材
アルミを骨として、樹脂を使ったプラスチックと木の粉を混合して押し固めたものを素材として使用します。
天然木のデメリットを補う部分が多いため、最近は人工素材が主流になっています。
プラスチックを使用しているため、経年劣化しづらく、耐水性、防虫性、耐光性に優れています。腐食、シロアリ、日焼けなどを防ぐことができ、長期にわたって使用することができます。
また、メンテナンスも基本的には不要で、水洗いやデッキブラシなどで掃除をしてカビ対策をする程度で大丈夫です。
またリサイクル材料を使用することが多く、余計な廃棄物を減らすことにも一役買っています。
品質の安定性や塗装のバリエーションが多いことでご自身のイメージ通りに作りやすいこともあります。
熱を吸収・保持しやすいため、日差しの強い夏の日などは熱くて裸足で歩けなくなることがあります。その場合日陰を作る工夫が必要になります。
また、天然木と比べて加工に費用がかかることから本体価格が高額になることや、固定用の金具やビスも特殊なものを使うため、設置費用が高額になる場合もあります。
水を吸収しない性質のため、表面に水が残りやすく、雨上がりなどは滑りやすくなりますので注意が必要です。
デッキ以外の部分をどうするか
ウッドデッキはリビングから見た光景と外から見た光景とで、2つの視点から見ることになります。その両方で違和感の出ないようにデザインを工夫することもウッドデッキのリフォームの楽しみであるといえます。
また、デッキ部分以外のところも検討の余地があります。
人工素材のデメリットにあった熱や雨の対策として、屋根を設置することもできます。また、住宅地に設置することや庭が道路に面している場合には、目隠しとしてのフェンスを設置することもできますし、小さなお子さんやペットがうっかり外に飛び出してしまわないような障壁としても利用できます。
屋根
屋根を付けると雨や日差しを防ぐことができるようになります。
雨の日でもデッキが濡れないので洗濯物干し場として使うことができますし、デッキに水が溜まって滑りやすいというデメリットを解消することもできます。
日差しを防ぐことができるため晴天でも裸足で歩くことができます。ただし、冬の寒い日にリビングに入ってくる日光までも遮ってしまうため、部屋の温度が下がってしまうことにつながります。また屋根の無いものと比べると空が狭くなってしまって開放感が損なわれる、突風や強風、大雪に弱いといったリスクも発生します。
屋根の種類はいくつかあります。
ポリカーボネート板を使用した透明な屋根にすると暗くなるのを防ぐことができます。
遮熱効果のあるものやUVカットのものもあるため日光をうまく生かすことができる反面、汚れが溜まってしまった場合にその汚れがハッキリ見えてしまい景観を乱すため、適度に掃除が必要になります。
「オーニング」という、テント生地を使用した可動式の屋根もあります。
屋根としての機能は完全ではありませんが、広げれば遮光効果は高く、使わないときは引っ込めておけるため天候や状況に合わせて柔軟な使い方ができます。固定式の屋根よりもデザインの幅が広く、個性を出すことができます。
テント生地は常時露出していると劣化してしまうため、使用する時だけ出すようにするといいでしょう。また、サイズが小さめのものが多いため、設置を検討する際にはデッキとのサイズの違いを考慮に入れなくてはならない可能性があります。
「パーゴラ」という、格子状の棚もあります。日本語でいうところの「藤棚」がそれにあたります。
つる性の植物をその上に這わせて日よけにするもので、夏には葉が大きくなり、花も咲いて景観も美しく遮光効果も高く、冬には植物が瘦せるので光を通すようになります。雨を防ぐことは出来ませんが、通気性もよく、ポリカーボネート板に比べると汚れは目立ちにくくなります。
目隠し・障壁としてのフェンス
住宅地にある家でウッドデッキが近隣から見えてしまうような場合や、デッキが道路に面しているような場合、外から見えることを防ぐため、もしくは、小さい子供やペットがうっかり外に出てしまうことを防ぐ目的でフェンスを設けることもあります。
こちらもデザインが豊富ですので、家の外壁や庭の雰囲気に合わせたものを選びましょう。最近は和モダンが流行っています。和モダンは落ち着いた雰囲気を演出する効果があります。
目隠し目的ではありますが、高すぎるフェンスは圧迫感を与えてしまい、せっかくのウッドデッキの開放感が損なわれてしまうため、必要最小限の高さに抑えたいものです。家族の身長や隣家から見えない範囲に抑えられるよう、施工業者と相談しましょう。
リフォームにかかる費用
リフォームにかかる費用は、ウッドデッキ本体の価格・工事費用・新設なら土台部分の工事費用・屋根の設置・フェンスの設置及び高さなどで定まってきます。
人工素材のデッキは、天然木よりも本体価格が高いため初期費用がかかる印象がありますが、後々のメンテナンスの手間が少ないことや天然木デッキが劣化した時の修繕費などを考慮すると、最終的に人工素材の方が割安になる場合があります。
デッキ本体の価格は、素材や形状・大きさ・地面からの高さによって変わりますので、詳細はYKK APのWEBカタログ等をご参照ください。
また、リフォームする際の予算感ですが、シンプルなものであれば1ヵ所30~60万円位で工事されている方が多いようです。全国のMADOショップを紹介しているサイトの施工事例から検索していただくとイメージの商品の予算感が分かると思います。
なおリフォームにかかる期間は、ウッドデッキだけなら最短で1日で終わることもありますが、作業内容、広さ、土台から見直すのか、といった要因で期間は様々です。長期間かかる作業なら2~3ヵ月ほどかかる場合もあります。
ウッドデッキリフォーム例
ウッドデッキが台風で破損してしまい、改修するご相談を頂きました。
台風が破損の致命傷ですが、木材の老朽化も進んでいたため破損してしまった状況でした。
今回のリフォームでは、ハードウッドのセランガンバツをお勧めさせて頂き、ウッドデッキのつくり直しを実施しました。
ハードウッドは高級木材です。
とても硬い材料なため、加工が困難でビスで固定するのも一苦労する材料です。
材料費、施工費とも初期費用がかかりますが、木の繊維が非常に密で、腐食や水分による腐食に大変強く、防腐剤や塗装のメンテナンスをしなくても20年以上もつといわれております。
一般的には安価でDIYでもできるソフトウッドでつくられているデッキも多くあり、こちらの場合は2~3年おきに塗装や防腐処理のメンテナンスが必要です。
手間や費用を長期的に考えるとウッドデッキのような外部で使用する際は、ハードウッドを推奨しております。
今回、解体した既存のウッドデッキは腐食しておりました。
シロアリを寄せ付ける原因にもなりますので、老朽化のすすんだウッドデッキは早めのリフォームをおススメさせていただきます。
最後に
ウッドデッキは使用する方のアイデア次第でとても幅広い使い道があります。
家族の憩いの場として使うのか、リラックスできる環境を作りたいのか、ペットの遊び場にするのか、ガーデニングをするためか・・・ご家族の意見を出し合ってみんなが楽しめる空間を作りあげていきましょう。