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部屋・床の段差解消「 バリアフリー 」リフォーム

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今は何ともない家でも、体調を崩したり足腰が弱ってきたりすると、ちょっとした「 段差 」が気になり始めます。  
本コラムでは、段差を解消したバリアフリー リフォームや将来の暮らしを見越したトイレのバリアフリー リフォームについて、実例を交えながらご紹介します。

 

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一番に改善しておきたいのは「段差」

バリアフリー リフォームのご要望では、「家の段差を無くしたい」と足元の不安をまず先に解消したいと考える人がとても多いようです。年齢を重ねるとわずかな段差でもつまずきの原因となり、転倒して捻挫や骨折をした、というお話をお客さまから伺うこともたくさんあります。

 

家で足が引っかかる段差は、以下のような場所があげられます。

・敷居  
・廊下と部屋の段差  
・風呂場やトイレの段差  
・玄関、勝手口

 

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この他にも家の中をよく見ると、古い家ほど、普段は気にしていないような、小さな段差がいくつか見つけられるのではないでしょうか。

 

畳を敷き詰め、障子や襖などの建具でゆるやかに仕切られ、光や風をほどよく取り入れて快適に過ごすことができる空間である和室も、昔ながらの味わいがある一方で、年齢を重ねた方や足が不自由な方など、座敷での生活より、椅子を中心とした生活が楽に感じられるようになった方には、少し使いづらいことも増えてきます。

 

例えば、畳の縁は段差ではありませんが、すり足で歩くようになると、意外と引っかかりやすいので注意が必要です。  
 

 

車椅子が必要になった時を見越す

家の中で車椅子を使うようになった時、思いがけず大変になるのが畳のやわらかさです。  
車輪が沈むため、方向転換をするにも余計な力を必要として介助者を悩ませます。車輪で擦れて畳が傷むのも気になることでしょう。

 

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また、歩行中に足が上がらなくなった方にとっては、畳の縁のわずかな盛り上がりでも転倒リスクにつながるため、多くのご家庭で、和室からフローリングへ変更するリフォームを検討されています。

 

さらに70代に入ると、約7割近くの人が、足腰の筋力に衰えを感じるロコモティブ症候群を抱えると言われています。(※1)

歩くときにつま先を上げる、とっさのときに一歩踏み出して転倒しないよう耐える、といった筋肉が弱くなることを考えると、床の凸凹をなくしておくリフォームは有効な手段の一つと言えるでしょう。

  

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ただ、それまで自分が馴染んだ家で暮らしていた高齢の方にとって、全面がフローリング張りの洋風の家は、少し馴染めない部分も出てくるかもしれません。

家は、家族の健やかさを守る場所であると同時に、心を落ち着かせ、ホッとくつろげる場所であることも大切な要素です。

 

●ロコモティブ症候群について → こちらをクリック

 

和室のフローリング化の例

工事のきっかけは、足の不自由なご家族のため、将来に備えて車いすで生活できる環境を整えることでした。  
今回実施した主な工事は3つです。

 

① 和室の畳を撤去し、フローリングに取替え

 

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椅子で生活することが楽になってきて、畳のままでは不便に感じておられたご妹様。  
フローリングにすることで、椅子中心の生活スタイルに変えられると喜ばれています。

 

 

② 広縁と和室の間の敷居(厚さ30mm)の段差解消

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昔は何ともなかったこの敷居も、年齢を重ねると注意すべき箇所になりますが、生活の一部だっただけに、注意が向かわない箇所でもあります。  
階段のような大きな段差より、敷居や畳の縁、じゅうたんの縁などちょっとした段差の方が気づきにくく危険です。


段差がハッキリ分かるように、段差のところを目立つようにテープを貼ることも有効ですが、リフォーム工事によって段差を解消することで、つまづきや転倒の危険性をかなり軽減することができます。

 

 

③ 出入口へつながる廊下をスロープ化

   

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廊下をスロープ化しておくことで、将来車いすでの生活になることへの備えも安心です。  
暮らしに楽しみを持てることは、とても大切なことであり、バリアフリー工事は、身体的な不便を解消できるだけでなく、精神的な不安を解消する一助となると思います。

 

フローリングを明るい色のものをお選びいただいたので、部屋も明るくなりました。今までよりもさらに明るい気持ちで暮らしていただけたら、とても嬉しく思います。

 

 

トイレの段差解消

LDKの段差は、全体をフラットにすることで解消できるのですが、トイレの段差解消では2点、気をつけたいポイントがあります。

・内開きドアの場合、フラットにするとスリッパがドアに引っかかるようになる  
・ドアの開閉方法、大きさの改善

 

10〜20年より前の家では、トイレが廊下より一段低くなっている構造が多く、「使いづらい」と言う声があります。

ただ、このような構造になっていたのは、扉でスリッパが引っかからないようにするためでもありました。

内開きドアの場合は、廊下と同じ高さにすると開け閉めするたびにスリッパが引っかかってしまいます。  
毎回ズルズルとスリッパを持って行かれると、地味にストレスになるんですよね……。

 

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このような小さな問題を解消するのも、リフォームでは大切な観点です。

この場合の解決策は、スリッパの使用をやめるか、段差を無くすのではなく浅くして多少つまづきにくく改善するか、ドアの開きを外開きタイプやスライドタイプに変更するかなど、さまざまな選択肢が考えられます。

 

 

段差45cm 解消リフォーム例

 

洗濯機置き場を別の場所へ移設し、トイレを広げたリフォーム工事を紹介します。

 

 

現状はトイレに行くまでに一度土間に降り、サンダルに履き替えなければなりませんでした。

お客様もご高齢になられて約45cmの段差を昇降するのがつらくなり、土間に床を組み、段差解消することにしました。

 

 

また、ご主人様のご希望により小便器も新たに設置することにしました。

 

 

既存の窓はご主人様から「竹細工が気に入っているので残して欲しい」とのご要望がありました。

内観は竹細工のシルエットを活かし、防寒と防犯対策で内窓を設置することにしました。

 

 

 

新たに設置した小便器の面と側面には清掃性の良いパネルを貼りました。

またトイレ前のスペースが狭いため、小範囲で開き出入りしやすいトイレ用折戸をご提案しました。

 

 

 

外部2方向からの出入りに邪魔にならないよう式台も設置し、動線を改善しました。

 

 

 

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介護が必要になった時のトイレ対策

段差による足元の不安を解消するときに、あわせて持っておきたいのが、介護が必要になった場合に、そのリフォームで本当に十分なのか、という視点です。

一人でなら余裕があるトイレのスペースも、介助者が一緒だと手狭かもしれません。手すりをつけたら、もっと狭く感じられるでしょう。

 

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また、手すりをつける場所をどこにするのかも予測して、床のリフォームを行うときに壁の準備をしておくと、将来「ここに手すりをつけられるよう、空間を開けておきました」と言って、すぐに施工をお願いすることができます。

 

ご予算のこともありますから一概には言えませんが、リフォームは、部分的にちょこちょこと何度も行う方が、時間や手間、予算が余計にかかります。

例えばトイレの床だけを張替えた場合、数年後に劣化したトイレの水漏れで新しい床がダメになるかもしれません。その場合、トイレそのものの交換と再び床の張替えをしなければならなくなってしまいます。

介護のことを考えて、タンクレストイレに変えておくというのも良い選択です。  

 

 

築27年トイレ バリアフリー化

 

こちらがリフォーム前のトイレ内部と入口ドアの様子

 

 

昔の家は、大便器と小便器が別になっている家も多かったことを思い出された方もいらっしゃるかと思いますが、その影響(小便器の位置の影響)もあり、トイレのドアが、幅の狭い開きドアでした。

 

出入りのしづらさと将来のこと(両親の車椅子での生活の可能性)を考え開口幅を広げることにし、さらに折戸にすることで車椅子でも簡単に開閉できます。  
(本当は、幅の広い引戸にしたかったのですが、スペース的に無理でした)  
 

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また、これまで1畳ほどの空間に大便器と小便器があり、特に大便器の方は前方の空間が狭く、使い勝手が悪かったため、車椅子での出入りや介護のことも考え、思い切って小便器を取り除き大便器のみを設置しました。  
 

 

 

手すりは片側ではなく、両側につける準備を

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立ち上がりや歩行が辛くなったら、家の要所要所に手すりをつけることで転倒を防止する方法が一般的です。

玄関やトイレ・廊下・階段などに取り付けて行くのですが、ここで気を付けておきたいのは、手すりはなるべく左右両方につけられるように考えておく、ということ。

 

体力が落ちた時、右手と左手、どちらが手すりを持ちやすい状態になっているかまでは予測ができないからです。

利き腕が右だからと右側だけに付けておいても、ご病気などにより左手で体を支える必要が生じた、という理由で追加工事を請け負うケースもありました。

 

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手すりの工事は、壁の内側を補強して行う必要があり、片方ずつ2度に分けて行うと、2回分の工事費用がかかります。  
ですが、今すぐ手すりをつける必要がなくとも、「将来、壁に手すりをつけられるようにしておきたい」とご要望をいただければ、全体のリフォームに補強工事だけを組み込むことができて費用も抑えられます。

 

 

畳で暮らしたい

多世帯同居のリフォームでご家族皆さまからお話を伺ってみると、親世代の方からは「やっぱり和室で畳に座りたい」という本音がぽろりと漏れることが少なくありません。

子世代の意見はフローリング、親世代の希望は畳の和室、という場合はどうすれば良いのでしょう?

互いに食い違う意見が出た時、当社では、両者の気持ちを汲み取ることができるリフォームプランを探して提案しています。

このようなケースでご提案したいのは、下の写真のような「小上がりの和コーナー」です♪

  

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先ほどの、床の段差をなくすリフォームとは逆の考え方になりますが、敢えてもっとはっきりと高さのある小上がりで、畳敷きのコーナーを作る、という方法です。

ある程度の高さを出すことで、「畳に直接座りたいけど、床からの立ち上がりが辛い」という悩みが改善でき、つかまり立ちが必要な人にも居心地の良い空間となります。

 

小上がりの高さを利用して引き出しを取り付ければ、収納力がアップしてさらに使いやすくなります。

今は好きな大きさや形にカットできる畳が開発されていて、リビングの端やキッチン・ダイニングの横など、お好みの場所に合わせてコーナーを作ることも可能です。

 

 

文: 伊藤・鹿毛

 


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