2024年【 リフォーム補助金 】先進的窓リノベ2024事業
現在、住宅リフォームを推進するための補助事業「住宅省エネ2024キャンペーン」が行われています。本コラムではそのうちのひとつ、「 先進的窓リノベ 2024事業 」について解説していきます。
住宅省エネ 2024キャンペーンで設置された4事業
① 子育てエコホーム支援事業
② 先進的窓リノベ2024事業
③ 給湯省エネ2024事業
④ 賃貸集合給湯省エネ2024事業
これら4つの事業は、実施が国土交通省・環境省・経済産業省と、異なる省によるものですが、3省が連携して行っているため、複数の事業にワンストップで申請することができ、ひとつの手続きで複数の事業に併用して申請することが可能となっています。
事業目的
先進的窓リノベ2024事業は、国内でエネルギー価格(冷暖房費)が高騰していること、また2030年度の家庭から出るCO₂の排出量を、2013年度と比較して7割削減を目標としていることに対応するため、窓を断熱化しエネルギー効率を上げることを促進することを目的としています。
断熱性能の良い窓へ改修することによって冷暖房費の負担軽減につながり、かつ家庭から排出されるCO₂の軽減も実現できます。この事業は、そのような断熱窓への改修工事に対して、補助金という形で支援する事業です。
対象要件について
対象者として注意すべき点
補助の対象となる方は工事発注者であるお客さまです。具体的な要件としては、以下の二つがあります。
① 登録事業者と工事請負契約・共同事業実施規約を締結し、窓の断熱化リフォーム工事をすること
先進的窓リノベ2024事業に「登録済み」の工事業者と「工事請負契約」を結んでいること、工事の内容が補助の対象となる「窓の断熱化リフォーム工事」である必要があります。
「知り合いに口頭で頼んだ」などといった、工事請負契約を締結していないものは対象外となりますので注意が必要です。
② 窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等であること
所有者等の「等」とは、所有者本人でない場合も含むということになります。
具体的には、個人・法人の所有者、居住者、共同住宅の管理組合・管理組合法人を指します。
なお、申請者はリフォーム業者であるため、具体的な工事内容と対象要件、補助金額についてリフォーム業者と相談しましょう。
対象工事
断熱性能の高い窓への改修工事が対象となります。
具体的な工事内容は、以下の通りになります。
●ガラス交換
窓枠は既存のものを用い、ガラスのみを複層ガラスなどに交換する工事
●内窓設置
既存窓の内側に新たに内窓を設置する、既存の内窓を新しいものに交換する工事
●外窓交換
・カバー工法: 外窓交換のうち、既存のサッシ枠の内側に少し小さな窓を取り付ける工事
・はつり工法: 外窓交換のうち、既存のサッシを枠ごと取り除き、新しいサッシに交換する工事
同一の住宅で複数回のリフォーム工事を行う場合でも、それぞれで要件を満たすことができれば、補助上限額(200万円)の範囲内で申請することができますが、ひとつの窓に対して複数回の改修をすることはできません。
また、開口部のドアについても、窓の改修工事と同一の契約内で断熱性能の高いドアに改修する場合には補助の対象となります。
改修後の窓の性能
断熱性能が住宅の種類に応じて定められた熱貫流率(U値)の基準を満たす、事務局に登録された「対象製品」が対象となります。
「熱貫流率」とは、一定時間のうちにどれだけの熱が伝わるかを数値化したもので、数値が小さいほど熱が伝わりにくい、断熱性能が高いということになります。
ドアについては単位UwをUdに置き換えた数値を基準とします。
対象期間
令和5年(2023年)11月2日以降に対象工事に着手し、令和6年(2024年)12月31日までに工事が完了するものが対象となります。当然ですが、工事請負契約の締結後に工事に着手する必要があります。
かつ、リフォーム業者の「事業者登録」が完了していることが要件となります。事業者登録は、契約・着工の後であってもかまいません。
なお、令和4年度事業である「こどもエコ住まい支援事業」、「先進的窓リノベ事業」、「給湯省エネ事業」に登録済みである業者は、業者が反対の意思を示さない限り簡易な手続きで登録事業者となることができます。
TOTOリモデルサービスはすでに、こどもみらい住宅支援事業にも先進的窓リノベ事業にも、事業者登録しています。
補助額
一戸当たり5万円~最大200万円及び、工事金額の半分
補助額が5万円を下回る場合には、補助金は支給されませんので注意が必要です。
補助金額は、住宅の種類や設置する窓の断熱性能・サイズによって変わります。
窓の断熱性能は、優良な方から「 SS・S・A 」の3つの区分に分けられており、グレードの高い窓ほど補助金額が大きくなります。
また、窓のサイズも大・中・小・極小の4区分に分かれており、交換する窓のサイズが大きいほど補助金額も大きくなります。
例えば戸建て住宅では、グレードSSの大サイズのカバー工法での外窓交換に最も大きな補助金額で設定されており、22万円となっています。
一方、グレードAの小(極小)サイズのガラス交換が最も小さな補助金額で、5千円となっており、それだけでは最低補助額の5万円に満たないため、補助金の交付を受けることができません。
その場合には内窓や外窓も合わせて交換したり、複数の窓を改修したりして補助金の合計額を5万円以上にする必要があります。
対象とならない場合
令和4年度(2023)の先進的窓リノベ事業で補助金の交付を受けた窓は補助の対象とはなりませんので注意が必要です。
すでに交付された補助金を返還しても対象外ですが、交付決定後、補助金の振込前に申請の取り下げを行った場合は対象となります。
補助金の還元方法(先進的 窓リノベ事業)
補助金の全額が工事発注者に還元されることになっており、その方法は2つあります。
①補助事業にかかる契約代金に充当する方法
②現金で工事完了後にお客さまへ支払う方法
※当社は、②の方法になります。
※なお給湯省エネ事業は、直接還付となります。
子育てエコホーム支援事業との併用
先進的窓リノベ2024事業と子育てエコホーム支援事業では、対象となる工事の内容が一部重複します。3省連携のワンストップ申請が可能であるため、ひとつの申請手続きにおいて両方に申請することができる場合があります。
ポイントは、
・同一の請負契約、同一の工期でも要件を満たせば両方の事業に申請ができる
・同一窓に対しては両事業への申請が出来ない
ということです。
先進的窓リノベ2024事業の方が子育てエコホーム支援事業よりも補助金額が大きいため、両方に該当するリフォーム工事を行う場合には、子育てエコホーム支援事業の要件を外さないように、窓やドアの断熱改修については先進的窓リノベ2024事業の方に申請するのがお得になると思われます。
他の補助金制度との併用
先進的窓リノベ2024事業は、国の行う他の補助金制度と重複して補助を受けることはできませんが、地方公共団体の行う補助事業については、国費が充当されているものを除いて、併用して補助を受けることが可能です。