古民家「 玄関土間 」リフォーム
古民家の特徴として、玄関の扉をくぐると「土足のまま歩き回れる屋内空間」が作られており、その空間のことを「土間」または「通り土間」・「玄関土間」といいます。
今回のお客さまは築120年経つ歴史のある家にお住まいで、広すぎる土間を床にしたい、家に上がる際の高い段差が負担になっているなど様々な要望や悩みがあり、それらの解決を行うリフォームを行いました。
まず120年使われてきた「 ケヤキの式台 」を解体し、撤去します。
基礎を作り、その上に床組みをしていきます。
人が十分通れる幅の通路は残し、奥まで土足で通り抜けできるように設計しました。
これまで土間の湿気がすごく、どこからか水が染み出して濡れていることがあると相談がありましたので、モルタルだった床は、おしゃれなタイル貼りにしました。
■ タイル施工の様子
■ タイル貼り完成
新たに床組みした奥の壁側には、花瓶などが置ける棚を造作。
約1坪強の床を作り、このように完成しました。
少しずつ和室に上がれるように一段目に式台、2段目に玄関床(フロア)、3段目に和室に上がれるように設計し、足腰への負担に配慮しました。
解体の際に撤去した「 ケヤキの式台 」は、大工によって磨きをかけ一段目に再利用しました。
リフォームでは全て新しくすることばかりではなく、既存の素材や雰囲気に調和するように仕上げること、古いものを再利用することなど様々な手法を取り入れてご提案しています。
特に古民家のリフォームでは、現代基準の快適さを実現しながら、懐かしさ、思い出も残すことが大切だと私たちは考えています。
文: 大西