キレイを保てるトイレ空間(消臭レストリューム使用)
こんにちは! 東京営業所 藤森・江口です。
今回トイレリフォームのご依頼をいただいたのは、築25年のマンションにお住まいのご夫婦とお子様2人の計4人暮らしのお客さまで、トイレは交換時期を迎えていました。
内装の打ち合わせを進める中で、トイレの空間自体も汚れにくく、お掃除のしやすいものにしていきたい、という奥様のご要望がありました。
そこで、TOTOのショールームでお選びいただいたネオレストLS2とレストルームドレッサーの交換に合わせて、床・壁・天井も含めたトイレ空間全体のリフォームを行うことになりました。
【 既存写真 】
現状のトイレ空間の素材は、壁天井がビニルクロス、床はリノリウムが使われていました。
ビニルクロスは機能性がないものの場合、シミが付いたり、拭き掃除で表面を傷めてしまう可能性があります。
また、リノリウムはコラムの【天然素材「 リノリウム 」床のメリット・デメリット 】 にて掲載したデメリットの通り、アルカリ性の洗剤に弱い傾向があります。
※「 リノリウム 」床のメリット・デメリットのコラムは ⇒ こちら
そこで、今回はこちらの建材を選定しました。
壁: 腰壁に不燃化粧板(セラール)・上部にビニルクロス
床: 長尺シート
天井: ビニルクロス
お掃除がしやすいトイレへとご希望でしたので、今回の壁では「 腰壁* 」を採用して、上部と下部(腰壁)の素材を分けることにしました。
腰壁に耐久性のあるお手入れが簡単な素材を使うことで、尿はねなどの汚れが付いても簡単に清潔性を維持することができます。(※腰壁とは、腰の高さより下の位置に設置される壁のこと)
今回の腰壁には、メラミン不燃化粧板(通称キッチンパネル)であるアイカ工業のセラールのウィルテクトという建材を採用しました。
【 セラール:ウィルテクトの特性 】
・汚れが付きにくく、水拭きや中性洗剤で汚れが落ちやすい
・シンナーを利用して拭いても素材が痛まない
・硬くて傷に強い
・パネルのため目地が少ない
・湿気の多い空間でも特定の細菌の増殖を抑える
【 腰壁の施工後 】
壁の上部は、サンゲツのフィルム汚れ防止壁紙を張りました。
【 フィルム汚れ防止壁紙の特長 】
・表面強度が高く拭き掃除にも強い
・次亜塩素酸ナトリウムに耐性がある
・壁紙にニオイが染みつきにくい
【 紙壁の施工中 】
天井には、抗菌・表面強化・撥水の機能性を持つ壁紙を張りました。 サンゲツのハードストレッチ壁紙の中から選びました。
【 壁と天井クロスの施工終了後 】
床には、尿や洗浄剤に強く消臭機能を持つ、サンゲツの長尺シートの中で消臭レストリュームという素材を使用しました。
一般的に長尺シートは、土足歩行の空間でも使われるような強度のある素材で、一般的なCF(クッションフロア)シートに比べ耐久性があります。またタイルのような目地がないため、目地汚れが気にならない素材です。
その中で消臭レストリュームは、長尺シートの特性はそのままで、以下のようなトイレ空間向きの特性があります。
【 長尺シート:消臭レストリュームの特性 】
・抗ウイルス、消臭機能が表面のコーティングに練りこまれている
・ワックスフリーコーティングにより汚れがつきにくく、取れやすい
・耐尿性があり、尿による変色が少ない
・耐薬品性があり次亜塩素酸や中性クリーナーによる変化がなく、酸性クリーナーを用いても一般品より変化が少ない
・防滑性があり、水がかかってもすべりにくい
【 床の長尺シートの施工終了後 】
将来への配慮ポイント
トイレの壁の内装材を張り替えるにあたり、部分的に壁の下地を石膏ボードからベニヤに張り替えました。
今回の工事の際に張り替えを行うことで、今後手すりが必要になった際に手すり用の下地の補強を行うことなく、壁面に手すりを取り付けすることができます。
【 手すり用壁下地の上から不燃化粧板を貼り付け 】
内装デザインのポイント
先に決めていただいた新しい「トイレ」や「レストルームドレッサー」に合わせて、トイレの雰囲気もがらっと変えました。
また細かな点ですが、腰壁の化粧不燃板と壁紙の間には「見切り材」という、異なる材料を隣り合わせにする際に使う縁を設けました。実は、こちらの見切り材も様々な大きさ・デザインがあり、今回は溝の入った少し装飾性のあるものをお選びいただきました。
【 腰壁と壁紙の間の見切り材 】
こちらが工事完了後の写真、お客さまより「以前よりもトイレの雰囲気が明るくなった」と喜んでいただけました。